W杯48カ国拡大に“拝金主義”との批判噴出 FIFA会長は「フットボールの観点からの決断」と反論
インファンティーノ会長が「BBC」のインタビューに応じる 「これは歴史的な決定だ」
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が、2026年ワールドカップ(W杯)から本大会参加国を現行の32カ国から48カ国に拡大する決定を受け手、試合のレベル低下や拝金主義などの批判が集まるなか、「現金強奪や権力強奪ではない」と反論している。英公共放送「BBC」のインタビューで語った。
10日に行われたFIFA理事会では、全会一致で出場枠拡大案が可決された。だが、参加国の拡大を発表したFIFAのツイッターは、サッカーファンの怒りで炎上している。
「現金強奪や権力強奪? それとは反対だ。フットボールの観点からの決断だ。全てのフォーマットには経済的な観点からアドバンテージがある。我々は競技面のメリットから決断できる状況にある」
FIFAは参加国を48カ国に拡大することで、収益は現行の方式よりも5億2100万ポンド(約735億円)増収となる52億9000万ポンド(約7460億円)まで膨れ上がるとレポートされているが、収益面が制度改正の理由ではないと、インファンティーノ会長は主張している。FIFAは2015年に、ワールドカップ招致に関する贈収賄事件で高官が次々に逮捕され、当時のゼップ・ブラッター会長やミシェル・プラティニ副会長が資格停止処分になるなど、汚職事件によってイメージを失墜させていた。
そうしたなかで決定された48カ国拡大案だけに、ファンから支持する声は少ないが、「これは歴史的な決定だ。21世紀のW杯の入り口となるんだ」と会長は語っている。「試合のクオリティーが上がる可能性もあると信じている。なぜなら、多くの国が本大会出場の可能性があるので、各代表はグラスルーツとエリート教育に投資することになるだろう」と持論を展開していた。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images