森保ジャパンの「GK問題」を再考 アジア杯はパリ世代への“先行投資”【現場発】
イラク戦は勝てば決勝トーナメント進出
森保一監督率いる日本代表は1月19日、カタール・ドーハでアジアカップ・グループリーグ第2戦イラク戦に臨む。GKは守護神候補のパリ五輪世代・鈴木彩艶が務めると見られる。森保ジャパンで絶対的なレギュラーがまだいないポジションでもあるGK問題を再考する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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勝てば決勝トーナメント進出が決まる一戦で鈴木が再びピッチに立つか。高さ、スピードが武器のイラクを無失点に抑えることができれば、さらなる自信、経験を積むことができる。
ベトナム戦はセットプレーから2失点。2点目はパンチングで弾いたところを押し込まれた。マークの受け渡しも最終ラインと再確認。一方でキックのずれについて聞かれた際にはしっかりと自身の考えを述べた。
「立ち上がりであったりとかで、相手を引っくり返すイメージで蹴ったので、そこまでミスしたっていうイメージはないですけど、相手はラインの押し上げも早かったので、いかに味方を動かしながらビルドアップしていくかというところが重要になってくるかなと思っている。意図して裏返すようなボールを蹴ったという意図はありましたね」
今回のアジア杯はサンフレッチェ広島の大迫敬介が昨年12月に右手舟状骨骨折の手術を受けて全治2か月と診断された。アジア杯の出場が絶望となったなかで、パリ五輪世代の野澤大志ブランドンが昨年末から始まった合宿、元日のタイ戦に招集。前川黛也とともにアジア杯メンバーにも選出された。
GK3人のうち2人がパリ五輪世代で数年先を見据えた選出となっている。大迫も東京五輪世代で若手の台頭が著しい。アジア杯という大きな大会を1人の守護神に任せることは最大7試合の経験を積むことができ、4月にパリ五輪最終予選、今夏に本大会を控える同世代代表にとっても大きな武器となる。
森保監督は川島永嗣が守護神だった2018年のロシア・ワールドカップ(W杯)後の前回大会(19年)、7試合中6試合で権田修一を起用。W杯後の立ち上げ直後から18年の親善試合5試合は権田を2試合、東口順昭を2試合、シュミット・ダニエルを1試合で先発させていた。守護神が定まっていないままアジア杯に突入し、権田の連続起用で経験を積ませた。
今回も同様に絶対的な存在はいないが、数年先を見据えてGKを起用するはず。この“先行投資”は、パリ五輪を経て北中米W杯で生きてくるはずだ。