イ・ガンインと久保建英を韓国人記者が比較 三笘薫は「ライバルではない」【現地発】
イ・ガンインはストライカー色が強く、久保はプレーメーカー型
韓国代表は1月15日、カタールで開催されているアジアカップのグループリーグ初戦でバーレーンに3-1と勝利を収めた。その試合で後半11分に強烈なミドルシュートで決勝点を奪うとともに、同23分にはペナルティーエリア内で細かいステップワークからダメ押し点を決めたのが、右ウイングのMFイ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)だった。
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トップスピードでも柔らかなステップワークで相手を翻弄して華麗にゴールに迫るさまは、この大会の屈指のスター選手であることを証明している。
その一方、日本の期待を背負う左ウインガー、MF三笘薫(ブライトン)は全体練習に一部合流したものの、本格的な復帰時期は未定で、本人は「(3戦目のインドネシア戦での出場は)それができればベストですけど、まだ分からないですね」と答えるにとどまっている。
韓国国内ではこのウインガー対決はどう見られているのか。韓国のサッカー雑誌「ベストイレブン」のキム・ユミ記者は、「ブライトンでの三笘のプレーを見ています」としながらも、「三笘はイ・ガンインのライバルではありません」という。
「三笘はもっとプレーのレベルを上げるべきです。また、もっと大きなクラブでプレーしなければなりません」
そして、「イ・ガンインのライバルとして見られているのは久保建英(レアル・ソシエダ)です」と続ける。
「もっともライバルと言ってもタイプは違います。イ・ガンインは高い得点力を誇ります。スピードとともにそれが特長でしょう。対して、久保はプレーメーカーです。イ・ガンインはウイングでもストライカーとしてもプレーできますが、久保は中盤のほうが能力を発揮できると思います。イ・ガンインは幼い頃(10歳)からスペインで育ったので、韓国内では『半分韓国人、半分スペイン人』だと言われています。それは久保も一緒ですよね」
その久保はベトナム戦で後半39分に投入されると同40分には上田綺世(フェイエノールト)へのアシストを決めた。負傷で出遅れていたが、すでに全体練習には合流。今後次第にプレー時間を増やしていきそうだ。
日本も韓国もともにグループリーグを首位で突破すれば対決するのは決勝戦ということになる。その時は日韓力国内のライバル論争もさらに加熱するに違いない。
(森雅史 / Masafumi Mori)
森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。