2年半ぶりに浦和へ帰還 “パリ五輪世代”MFの算段と決意「戻ろうと思っていた」

2年半ぶりに浦和へ復帰の武田英寿【写真:轡田哲朗】
2年半ぶりに浦和へ復帰の武田英寿【写真:轡田哲朗】

武者修行を終えて2年半ぶりに浦和へ帰還

 浦和レッズは1月15日に今シーズン初めての公開練習を行った。2年半ぶりに期限付き移籍から復帰したMF武田英寿は、昨季のJ2でアシストも重ねて勝ち取ったチャンスに「このタイミングで戻ろうと思っていた」と話している。

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 武田は2020年に高校サッカーの名門・青森山田から加入。クラブからは当時主力のMF柏木陽介の後継者として左利きのプレーメーカーでキック精度も高いところへの期待を受けた。加入初年度はシーズン終盤のわずかな出場機会にとどまったが、翌年から指揮を執ったリカルド・ロドリゲス監督が相手に応じて起用選手を変え、若手選手も起用していくタイプだったことでリーグ戦の出場機会も増える。しかし、負傷離脱を契機に実戦から離れると夏のウインドーで期限付き移籍による”武者修行”を決断した。

 FC琉球、大宮アルディージャと渡り、昨季は水戸ホーリーホックでプレー。安定した出場機会をつかんで4得点し、J2リーグ全体で3位の9アシストを記録。だからこそ「アシストなど数字も残せた。このタイミングで戻ろうと思っていた」と話した。自身の成長を特に守備面に感じ、「ボール扱いはもちろん、守備で奪えるかどうか。そこが足りなかったけど、試合に出るために成長できた」という。

 そして浦和復帰が決まった年始は、「引っ越しでめちゃくちゃ忙しかった」と笑うなかでも全国高校サッカー選手権に出場した母校の試合を見ていたという。決勝戦は「ぐちゃぐちゃな中で段ボールに座って」という環境で試合を見たと笑った武田だが、自身が在学していた当時のヘッドコーチだった正木昌宣監督に率いられた母校の優勝への喜びとともに「全員がかぶっていない知らない選手たちで、もうこんなに時間が流れたんだ」という感覚にもなったと話した。

 今季はペア・マティアス・ヘグモ新監督が就任し、フィールドプレーヤーだけで昨季浦和でプレーしていなかった選手が11人加わる。2年半前の在籍当時よりも分厚い選手層になったが監督交代のタイミングだったことは前向きに捉えている。

 4-3-3システムの導入を明言するヘグモ新監督は、この日のゲーム形式でもそのシステムを採用。スウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンが未合流のなかでアンカーに入っていた武田だが、「一番は右のインサイドハーフで勝負したい」とも話す。

 14日の新加入会見では「僕がいた時はコロナ禍で入場制限や応援制限があった。満員のスタジアムで声援を聞いて浦和でプレーできるのを楽しみにしている」と話した武田は、今年開催されるパリ五輪世代の1人。17日からの沖縄県トレーニングキャンプで成長の証を見せて一回り大きくなった姿を埼玉スタジアムで披露するチャンスを掴みにいく。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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