宇賀神友弥、“古巣復帰”打診に当初「西野ふざけんなよと…」 浦和でやり残した思い
岐阜から浦和へ、3シーズンぶりの復帰
浦和レッズは1月15日に今シーズン初めての公開練習を行い、2021年シーズン後に退団してFC岐阜へ移籍したところから3シーズンぶりの復帰になったDF宇賀神友弥はその思いを語った。
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宇賀神は浦和ユースからトップ昇格が叶わずに流通経済大学に進んだが、特別指定選手を経て2010年に浦和のトップチームへ入団。そこから12シーズンを浦和一筋でプレーしたが、クラブが3年計画を打ち出して世代交代も掲げていたなか、21年限りで契約満了となった。その後、J3のFC岐阜へ活躍の場を移して2シーズン出場を続けた。
14日の新加入会見で宇賀神は「Jリーグ優勝が心残りだった。それを成し遂げたいという強い思いで帰ってきた。この年齢、一度退団したなかで戻ってくるはいろいろな意見があると思うけれども、引退しに来たわけではない。このチームでポジションをつかんでチームに貢献して優勝するつもりで来た」と話していた。
そして、この日の公開練習は約300人の浦和サポーターが集まり、「改めてサポーターの熱を感じた。練習でもこれだけの人が来てくれる。今季への期待感が表れていると思う」と話した宇賀神だが、流通経済大へ進学した当時も浦和のライバルチームに入団して浦和を倒すことを目標にしていたと話すような反骨精神の持ち主は、今回の浦和復帰にあたってもそのような強い思いがあったことを明かした。
宇賀神は「FC岐阜でプレーしているときも、天皇杯で浦和と当たってくれと思っていた。倒してやると。今季も岐阜でプレーするつもりだったので、新しくなるルヴァンカップで当たってほしいと思っていた」と話す。そのなかで浦和の強化責任者を務める西野努テクニカル・ダイレクターから復帰の打診があった時も「あの時は『西野、ふざけんなよ』と思っていましたよと言いましたけどね」と笑った。
一方で、そうした話の中でも「宇賀神という人間は、そういうところから強くなる」という共通の思いや、強化部門の元浦和選手の堀之内聖氏からも「岐阜での2年間のプレーも見ていた」という言葉もあり、最終的には復帰を決断するにいった。
2カテゴリーの変化に「そこがこれからの課題」と話す宇賀神は「まだ、みんなが動けていない間だからやれているけど、周りのコンディションが上がってきたときにどれだけのパフォーマンスが見せられるか」とした。それでも、復帰にあたってMF関根貴大に連絡した際は、「また(トレーニングから)バチバチやりましょう」という返事があったとも話す。
浦和のクラブ史上、下部祖組織から大学経由でトップチームに加入したのは宇賀神が初めてであり、その後に多くの選手が辿る道筋を切り開いた。3月に36歳を迎える年齢の選手が3シーズンぶりにJ1の上位を狙うクラブに完全移籍で復帰するのもかなり異例だが、再び新しい道を開拓していくのか注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)