森保ジャパン、パリ世代抜擢“大胆起用”の穴 優勝へ残った大きな課題【現地発】
先発メンバーには細谷、鈴木が名を連ねた
森保一監督率いる日本代表は1月14日、アジアカップのグループリーグ初戦でフィリップ・トルシエ監督が指揮を執るベトナムと対戦して4-2で勝利した。森保監督は先発メンバーにパリ五輪世代のFW細谷真大(柏レイソル)とGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)の2人を起用。大舞台の初戦という難しい状況での“大胆起用”となったが、2人にとってはほろ苦い一戦となってしまった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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若き日本代表にとって悔しい一日だった。日本は前半11分にMF南野拓実の先制。だが、5分後にはベトナムに左コーナーキックをニアサイドで合わせられ、FWグエン・ディン・バクのヘディングシュートは鈴木の頭をふわりと越えてゴールへ。あっという間に同点に追い付かれると、さらに、前半33分にはフリーキックをゴール前に入れられると、ファーサイドからのシュートを鈴木が弾いたところをFWファム・トゥアン・ハイ押し込まれてしまい、1-2とまさかの逆転を許した。
その後、南野、MF中村敬斗、途中出場のFW上田綺世が決めて最終的には4-2で勝利。だが、ベトナムに苦戦したことは紛れもない事実で、課題が多く残った。
そのなかでも細谷にとっては自身のプレーに不満もあっただろう。1トップで起用されたものの、最前線からの守備で物足りなさを露呈。トップ下の南野が顔出しからフィニッシュまでこなしていたことを考えると、細谷には自身に課されたタスクをもう少しこなしてほしかった。
「もちろんゴールというところを意識していましたし、押し込んでいる状態の中でどう自分が絡んでいけるかずっと考えてやっていた。もっと要求してチャレンジするべきだったのかなと思いました。もうちょっと前から行って取れるかなと思ったけど、思っていた以上に(相手が)本当につなぐのが上手かった。ファーストディフェンダーというところでは、自分の実力不足もありますけど、もっとはっきりした方が良かったのかなと思います」
守護神候補の鈴木にとっても2失点は反省だ。1失点目はフリーで打たれ、2失点目はバウンドの処理も難しかったことから、鈴木だけのせいではないが、リードを奪われる展開になったことは防ぎたかった。
「バウンドもしていたし相手も来ると予想があったので確実に弾きにいこうと思った。ただ、手の出し方にミスがあった。準備のところは間違っていなかったと思うし、正しいポジションに立てたので最後の技術のところ」
後半途中から出場した同じパリ五輪世代のMF久保建英が即アシストを記録するなど、違いを見せた。すぐにとは言わないが、この経験を糧に……優勝のためには大会中大きな飛躍を遂げてもらいたい。