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「失点していたらシャレにならなかった」 青森山田GKが“トリックキックオフ”での油断を反省
選手権初制覇の青森山田、決勝のファーストプレーであわや失点のピンチ
緊張の決勝戦に臨んだ青森山田(青森)は、ファーストプレーで冷や汗をかいた。9日に行われた第95回高校サッカー選手権決勝で、前橋育英(群馬)を5-0で破って悲願の初優勝を果たしたが、キックオフ直後に想定外のピンチに見舞われた。
青森山田のキックオフで始まるゲームは、ハーフライン上に10人のフィールドプレーヤーが構え、廣末がフィード役として残るフォーメーションを組んだ。ルール改定により、キックオフを自陣に向けて蹴っても良いと変更されて以来、1点を追うチームなどが見せてきた1つのパターンだ。キックオフのボールは廣末に下がり、フィールドプレーヤーは前方へ走り込んだ。
しかし、「普段だったら相手をガードする選手も付けるんですけど、今日はそれをしていなくて」と廣末が話したように、スキがあった。廣末に出したパスも弱く、前橋育英の2トップが一気に襲いかかってくる。みるみるうちに両者の距離は詰まり、廣末のキックは前橋育英のFW人見大地にブロックされた。ボールはコーナー方向に飛び事なきを得たが、廣末は「結果論ですけど、失点につながらなくて良かった。あれで取られていたらシャレにならなかった」と振り返った。
それでも卒業後のFC東京加入が内定している、この世代を代表するGKは冷静さを失わなかった。0-0で迎えた前半16分、前橋育英のMF高沢颯に抜け出されて1対1になる大ピンチを迎えたが、「相手がGKを見ていなかったので、なるべく寄せて、しっかりと構えて反応すれば止められると思った。良い状態で臨めた」と、動じることなくシュートを弾き返した。立ち上がりから主導権を握られていたなかで、ゴールを許さなかった決定的なプレーは青森山田に流れを呼び込んだ。
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