浦和のヘグモ新監督、“4-3-3システム”採用を明言 補強の肝となったのは?
沖縄キャンプで本格的な始動へ
浦和レッズは1月14日に新体制発表会見を実施。西野努テクニカル・ダイレクター(TD)が「今年に関しては少し結果を出すところに振れた、重きを置いたのは事実」と、実績のある選手を多く補強。ペア・マティアス・ヘグモ新監督は4-3-3システムの採用を明言し、それぞれのポジションに求めるものを語った。
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近年の浦和は獲得当時に日本代表で不動の右サイドバックだったDF酒井宏樹のようなビッグネームも補強したが、J2で可能性のあるプレーを見せた選手を獲得することが多かった。そのなかではMF小泉佳穂やDF明本考浩のような主力に成長した選手もいたが、今季の特に中盤から前線は名前と実績のある選手が並んだ。
ノルウェー代表FWオラ・ソルバッケンを6か月の期限付き移籍で獲得したのが最も世界的な知名度のあるところだが、ほかにもスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンや一昨季のJ1得点王のFWチアゴ・サンタナも獲得。そこにFW前田直輝やFW松尾佑介といった欧州からの帰国組、FC東京のMF渡邊凌磨をはじめJ1クラブからの獲得選手が並ぶ。下部カテゴリーからの加入は、期限付き移籍から戻るMF武田英寿と過去に長く浦和でプレーしたベテランDF宇賀神友弥であり、ここ数年とは違うニュアンスの選手が並んだ。
浦和は2020年シーズン、大槻毅監督の2年目を起点に「3年計画」を打ち出し、クラブが定めるコンセプトをベースにした継続性のある強化方針を取っている。昨季率いたマチェイ・スコルジャ監督が1シーズンで退任し、土田尚史スポーツ・ダイレクター(SD)も辞任した。
そうしたなかでトップチームの強化責任者となる西野TDは「可能性のある選手への挑戦や投資は継続しなければいけないのは変わらないし、大事なところ。あくまで可能性なので、いい時もそうでないともあると意識している。今年に関しては、少し結果を出すところに振れた、重きを置いたのは事実だと思う。今までがそうでなかったかと言えばそうでなかったわけではない。チャレンジはし続けるけれども、それを組織として学びにしてきたのは間違いない」と話した。
そして、「ヘグモ監督とはウインドーの前から議論をして、各ポジションに求めるものを議論したなかで何度もミーティングを重ね、ターゲットになる選手を決めて獲得活動をしてきた」と話す。そのヘグモ監督は4-3-3システムの採用を明言したが、そこで求めるものをはっきりと語った。
「前線のワイドのところ、ウイングが高いポジションを取ることで、そこから裏を取ることができるというのを目指している。サイドチェンジの時、その選手たちは1対1で仕掛けられなければならない。そして、ストライカーにはペナルティーエリア内での仕事を期待している。少なくとも20得点は期待している。
そしてインサイドハーフにも前線でペナルティーエリア内に入っての得点まで期待している。そしてサイドバックにも前に上がって2対1を作ってもらいたい。アンカーには中へのパス、裏へのパス供給を期待している。センターバックには良い守備を期待するが、バックラインで2対1を作るボールを持った時のプレーにも期待している。そしてGKには良い守備も期待するが、攻撃にも関わってもらいたい」
新加入選手だけでなく、浦和で昨季ベストイレブンに輝いた酒井やDFアレクサンダー・ショルツ、DFマリウス・ホイブラーテン、MF伊藤敦樹といった能力の高さと適性を感じさせる選手たちもいる。例年よりもピッチ内外で「攻め」の姿勢が見える浦和の新シーズンがどうなるか、沖縄県でのトレーニングキャンプから本格的にチーム作りが始まる。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)