初めてのアジア杯へ―三笘薫の秘めた王者への思い GLから森保Jの要に【現地発】
復帰の見通しを自ら明かした
森保ジャパンにとって明るい兆しだ。日本代表MF三笘薫が1月12日、ドーハで開幕したアジアカップで出場の見通しを明かした。左足首の負傷により別メニュー調整中だが、この日ドーハ入り後、初めて取材に対応。「予選リーグの中で(メンバーに)入れればベスト」と回復状況を説明した。これまで別メニュー調整が続いているため、第3戦の24日インドネシア戦での復帰が現実的となるなかで、初めての大会に向けて熱い思いを明かした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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「(アジア杯は)初めてなので。でもW杯を経験している。難しい大会だけどリーグ戦の経験を生かせる大会だと思う。アジアで優勝しなければいけないと感じている。予選もそうだし、引いてくる相手に点を奪えない時にどう打開するか。本番にならないと分からないところや緊張感はあると思う。個人の能力やチームで崩すのが大事。決勝トーナメントに入れば1点重みも変わる。延長戦も含めチームとして準備したい」
ドーハに入って初めて意気込みを語った三笘。その言葉の端々にはアジア王者への思いが沸々と感じられた。
この日は練習の途中でピッチに現れ、軽めのジョギングなどで体を動かして調整。2日後に初戦が控えているなか、「回復次第ですけど、予選リーグの中で入れればベストかなと。(痛みは)徐々になくなってきています」と回復状況を明かした。
これまでは宿舎やジムなどで体を動かし、ピッチに出てきたのは前日11日。昨年12月21日のプレミアリーグ第18節のクリスタル・パレス戦で試合終盤に左足首を痛めて途中交代。所属のイングランド1部ブライトンでは全治は4~6週間と診断されていたが、アジア杯に招集された。
「(招集できる枠が)26人になってチャンスもあった中で呼んでいただいたのは良かったと思うし、それに応えないといけない」
三笘にとっては初めてのアジア杯。グループリーグはベトナム戦、19日イラク戦、24日インドネシア戦が控える。第3戦まで2週間弱あるなか、現実的にはインドネシア戦で復帰できれば森保ジャパンにとってもブライトンにとっても朗報。さらに、今回はエースとして臨む大会。プレミアリーグで結果を残し、ブライトンで欠かせない選手へと成長した。三笘やスペイン1部レアル・ソシエダのMF久保建英は森保ジャパンの軸としてアジア全体から注目を浴びている。9連勝中の日本代表への期待値も高い。
「前回大会もそう見られて決勝で負けた。サッカーは何が起こるか分からない。僕らもW杯でスペインとドイツに勝ったし、サポーターは期待していなかったかもしれないけどサッカーはそういうことが起こるので、僕らもそう(優勝候補と)言われているけど1つ1つの試合を勝っていかないといけないのでまったく気にしていない」
前回大会時はトレーニングパートナーだった。A代表のトップレベルを肌で感じて、目標を明確にした。3大会ぶり5度目の王者へ――。日本代表を支える三笘が自らの手で取りに行く。