佐野日大がラスト15分で見せた意地の奇襲攻撃 涙の指揮官「耐えて守るばかりで辛かったと思う」
選手の反発もあるなかで守備的戦術を貫く 初の準決勝で前橋育英に0-1と敗戦
前橋育英(群馬)との北関東決戦に惜敗し、佐野日大は栃木県勢として52大会ぶりの決勝進出を逃した。
粘り強さが身上の佐野日大は、1回戦から準々決勝までの4試合をいずれも競り勝ってきた。和歌山北(和歌山)との1回戦、米子北(鳥取)との2回戦をともに1-0で制し、3回戦では2-2からのPK戦で一条(奈良)を倒した。準々決勝は駒澤大高(東京A)から後半アディショナルタイムに決勝点を奪い、2-1で逆転勝ちしたのだ。
そうして初のファイナルを目指した準決勝で、隣県の“タイガー軍団”と対戦。スコアは0-1ながら、内容的には完敗に近かった。シュート数は2本と11本、CKは3本と12本。ゴールキックが15本あったことからも、劣勢の時間帯が長かったことが分かる。絶好機は前半29分の一度だけ。1回戦と準々決勝で決勝ゴールを挙げたMF長崎達也が右足で強シュート、決まったかと思われたがGK月田啓の好守に阻まれた。
ともすれば、このチームはベスト4どころか全国大会出場も危うかった。昨年6月の高校総体県予選で矢板中央に敗れると、卒業生の海老沼秀樹監督は、4-4-2から5-4-1へ守備的な戦術に変更。選手の反発もあって、チームはギクシャクした。攻撃的なサッカーを志向していたイレブンに迷いが生じ、方向性を失いかけたのだ。
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