前橋育英が悲願の選手権初制覇に王手 「何をやっても上手くいかない」チームを変えた“夏の屈辱”

2大会ぶりの決勝進出も平坦ではなかった道のり 夏の高校総体県予選で初戦敗退

「今年は今までにないくらい、何をやっても上手くいかない」“上州の虎”が、選手権決勝の舞台へとたどり着いた――。7日に行われた全国高校サッカー選手権準決勝で、前橋育英(群馬)は佐野日大(栃木)に1-0で勝利。夏の高校総体県予選で初戦敗退を喫した屈辱から這い上がって、2年ぶりのファイナリストとなった。

 冒頭の言葉は、前橋育英の指揮官を務める山田耕介監督の試合後の会見での言葉だ。群馬県屈指の強豪校で知られる同校だが、今年度は苦しんだ。特に夏の高校総体県予選では、大会初戦の常盤戦でPK戦の末に敗北。夏の大舞台に立てない悔しさを味わった。

 強豪校にとっての屈辱が、立て直しの契機となった。県予選敗退後、1カ月間にわたって紅白戦を繰り返した。キャプテンを務めるMF大塚諒は、臥薪嘗胆の日々を回想する。

「その時期は、いろんなカテゴリと紅白戦をするようになりました。良かった選手は上がるし、トップチームの選手でも下げられることがありました」

 150人を超える部員によるチーム内競争。毎日が激しい生存競争になると同時に、「10人ずつのグループを作って」チームスタッフや指揮官に、ピッチや部活動で感じたことを伝えることで、それぞれの考えを共有した。

 

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