板倉滉がアジア杯優勝で目指す「日本代表という価値」の誇示 移籍説は否定「全然嘘です」【現地発】
元日のタイ戦後にドイツに一度戻り、7日夜にカタールへ
森保一監督率いる日本代表は1月8日、初めて全員揃って練習場に集合した。合流が遅れていたDF板倉滉(ボルシアMG)も前日の夜にホテルに入ると、この日はピッチに現れて元気に汗を流していた。
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板倉は2023年10月、左足首の俗に「関節ネズミ」と言われる関節内遊離体を除去する手術を行っていた。1月1日のタイ戦終了後、一度クラブに帰って状態をチェック。そのため日本代表の合流が遅れていたのだ。
「日本代表ともコミュニケーション取ったうえで1回ドイツに帰って、チームのコントロールの下、(チェックを)やりたいというのがドイツのチームの主張で、それを代表チームに話したなかでしっかり汲み取って、理解してくれたところに感謝です。今ここに、こうやって来られているのがすべてかなと思います」
板倉はそう言うと、一度チーム離脱することを承認した日本代表チームへの感謝を口にした。
アジアカップが開催されるカタールに降り立ち、「ワールドカップ(W杯)もカタールでやったということで、空港に着いた時に『帰ってきたな』という感覚はありました。またここで、しっかり結果を残す準備をしていきたいなと思います」と気分を一新し、大会優勝に向けて燃えている。
「もう本当に優勝しかないし、またさらにここで日本代表という価値を示せればな、と。全勝で優勝しかないかなと思っています」
第2次森保ジャパンはここまでミャンマー、シリア、タイとアジアのチーム相手にすべて5-0で下している。この調子でアジアカップの7試合を35得点無失点というのが最も理想の形になるだろう。
だが、板倉は「そんな形で行けたらもちろんいいのですけど、間違いなくそうはいかないと思います。前回大会を見ても相当厳しい戦いをしていたと思うので、本当に気が抜けないなと。1試合目の入りから気を引き締めてやらないと、足元をすくわれるかなと思います」と気を引き締めた。
ところで、冬の移籍期間にあたるこの時期に一度ドイツに戻ったのは移籍があるからではないか。
そう聞かれた板倉は笑いながら「全然嘘です」と全否定。「そういう話も出ていますけれど、全然ないですし、まずはアジアカップがあるので、しっかり自分のできることをチームのためということを、変わらずやりたいなと思います」と続けていた。
森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。