J1浦和元コーチが驚いた日本人の“謙虚さ” 在籍1年間で目にした唯一の“違反”とは?
母国紙のインタビューで元浦和コーチのジャナス氏が登場
J1浦和レッズで昨シーズン、マチェイ・スコルジャ元監督の下でコーチを務めていたポーランド人ラファル・ジャナス氏が母国紙のインタビューに登場。日本人の“謙虚さ”を絶賛し、その一例として浦和の主将DFの名前を挙げている。
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2023シーズンに浦和を率いたスコルジャ元監督の下でコーチを務めたのが、同胞でこれまでもタッグを数多く組んできたジャナス氏だった。チームはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)やクラブ・ワールドカップ(W杯)の大会を抱えたなかで、過密日程に苦労しつつJ1リーグ4位でフィニッシュした。
昨季終盤、浦和はシーズン限りでのスコルジャ氏の退任が発表。ジャナス氏も同時にチームを離れ、指導経歴のある古巣のレフ・ポズナンに戻ることが現地で報じられている。そんなジャナス氏が、ポーランドのスポーツ紙「Przegląd Sportowy」内で日本についてのインタビューに答えた。
そのなかで日本でのサッカー選手という職業について「日本ではサッカー選手はほかの職業と同じように扱われる。ヨーロッパなどでは、スター選手が特別な条件でチームにいるのが普通ですが、日本では誰かが高慢になることは歓迎されません」と、欧州との考え方の違いを指摘している。
「誰もが仕事に燃え、監督の期待に応える。手放そうとは誰も思わない。監督の言うことは神聖なのだ。選手たちも、もっと上手くなりたい、ヨーロッパのいいクラブに行きたいというモチベーションを持っている。すべてのトレーニングセッションで、その献身ぶりを見ることができる。それは驚異的なことで、ポーランドではこれまで見たことがない」
日本人の謙虚さを称えたジャナス氏は、昨季浦和のキャプテンを務めたDF酒井宏樹について「フランス・マルセイユで活躍した彼も、自分を誇示することはしなかったのでしょうか?」と聞かれ「そんなことはない。ほかの日本人サッカー選手と同じように謙虚だった」と記者の疑問を一蹴した。
「日本では誰も自分が優れているとか、より多くのお金を持っているとか、誰かがほかの人よりも良い位置にいるということを示さない。スコルジャは彼をキャプテンにした。そのうえ、私たちは彼とフランス語と英語で話すことができた。日本のサッカー選手で外国語を話せる人はあまりいないから、普通は通訳を使わなければならない。彼はとてもクールな人間で、良いサッカー選手だ」
またサッカーという職業に携わりながら、日本人の“謙虚さ”は選手以外でからも感じたことがあったという。
「ある試合の後、スポーツディレクターと財務ディレクターが用具の入ったバッグをトラックの荷台に積み込むのを手伝っているのを見たときは驚いた。何か手伝わなければならないことがあるとき、誰も自分の立場に隠れることなく、エゴに邪魔されることもなく、ただそれに取り組んでいた。また、クラブ施設に対する日本人の謙虚さも感じていたよ」
スタッフと関わるなかでも、日本人の気質を実感したジャナス氏。一方、浦和時代に「年間を通して、選手がトレーニングに遅刻するという状況が一度だけあった。彼の説明によると、携帯電話を充電するのを忘れ、夜中に充電が切れたため、アラームで目が覚めなかった。そのため寝坊したとのことだった。これは、私たちがこの1年間で経験した唯一の“違反”だったよ」と、当時の思い出エピソードも交えて紹介していた。
(FOOTBALL ZONE編集部)