遠藤航、アジア杯への本音とクロップの“冗談”明かす 「代表に集中」「とにかく早く帰って来いって…」【現地発】

日本代表の遠藤航【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
日本代表の遠藤航【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

クロップ監督と出発前のやり取りも明かす

 森保一監督の率いる日本代表は1月6日、現地カタールでの今大会初めての練習を行った。登録26人の選手のうち、板倉滉(ボルシアMG)だけがまだ合流しておらず、三笘薫(ブライトン)と久保建英(レアル・ソシエダ)はホテルで調整、冨安健洋(アーセナル)は室内練習を中心にコンディションを整え、体調不良でカタール入りが遅れた堂安律(フライブルク)はピッチに出てきたものの完全に別メニューとなった。

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 また、遠藤航(リバプール)、中山雄太(ハダースフィールド)、前田大然(セルティック)、旗手怜央(セルティック)のヨーロッパから合流した4人は途中から別メニューとなっている。

 練習後、キャプテンの遠藤が報道陣の質問に答えた。

 まず、リバプールでクラブの12月度月間最優秀選手(MVP)に選出に選ばれたことについては「この12月はずっとプレーして慣れてきたということもありますし、最後は怪我人もあって自分が出るしかない状況になったっていうのもあります。けれど、使われ続ければ、こうやって結果を残せる自信はあったし、試合に出続けることが自分にとっては大事だったと思っています」と自分が認められた要因を語った。

 だが、今回はリバプールでの出場機会を捨てて日本代表として1か月以上戦うことになる。この間にポジションを奪われる可能性もあり、それなのに代表チームでプレーすることはどう考えているのか。

 そう聞かれると遠藤は表情を引き締めて語った。

「アジアカップもそうですが、代表キャプテンとして僕はプレーしています。代表でプレーするときは強い思いを持って来ているし、もちろんアジアカップに関しては開催する期間がどうなのかとか、いろんな問題はあるのですが、今はもう、とにかく代表に集中しているし、別にこのタイミングで(クラブを)抜けたくないなんて思っていません。頭を切り替えて、しっかりアレクシス・マック・アリスターともバトンタッチしてきました」

 リバプールを率いるのは名将ユルゲン・クロップ監督。遠藤にリバプール指揮官とはどんな話をしてチームを離れたのかを聞くと「『グループリーグどことやるの?』みたいな感じで話をしていて、あとは、もう、『とにかく早く帰って来い』って言っていました」といった当時の2人のやり取りを明かしてくれた。

 その言葉に報道陣が驚いていると、遠藤は笑いながら「(監督の)冗談ですよ。普通にグッドラックって感じだったんで」と明かした。

「(前回のアジアカップで)僕は怪我をして決勝に出てないので悔しい思いをしました。でも、みんな分かっているとおり、アジアとはいえ勝つのは難しいので、過去のいろんな経験がある中で、この大会、自分たちはどうやって挑んでいくのかをしっかりみんなで共有していきながらやっていきたいと思います」

 キャプテンはそう言うとしっかり前を向いていた。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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