「とても感動的」 高校サッカー会場で敵味方が一体、“心温まる応援”に海外喝采【高校選手権】
震災被害で広がった応援の輪、感動的なシーンに台湾メディアが注目
石川・能登地方で最大震度7を観測する強い地震が発生した影響で、全国高校サッカー選手権に出場していた石川県代表の星稜では、地元からの応援団派遣が中止になる事態が発生した。そんな星稜を後押しすべく、敵味方関係なく一体になった応援風景に海外メディアが注目し「心温まるフットボールの話」と熱視線を送っている。
石川県能登地方では1日午後4時10分頃、同地域を中心とするマグニチュード7.6の大地震が発生。大津波警報が発令された能登地方では、地震発生から時間が経つにつれ、被害の実態が明らかに。火災や家屋の倒壊が相次いだことで多数の死傷者や安否不明者が出る事態に発展した。
同県の代表校として選手権に出場していた星稜も、思わぬ事態に見舞われた。2日に行われた市立船橋(千葉)との3回戦を前に、同窓会関東支部は地元からの応援団派遣がやむを得ず中止になることを発表。X(旧ツイッター)上では「在関東の方で声援を送っていただける方おりましたら、是非来場いただき、選手たちに声援をお願いします」と呼びかけていた。
すると試合当日、対戦校の市立船橋からメガホンが提供されただけでなく、日大藤沢(神奈川)や同会場で第2試合を控えていた岡山学芸館(岡山)らライバル校の部員たちによる友情応援が鳴り響いた。日大藤沢の部員たちは、地元茅ケ崎市の黄色いゴミ袋を上半身に被り“星稜カラー”でピッチ上の選手たちへ大声援。敵味方が一体になった瞬間だった。
星稜は市立船橋戦で1-4と敗戦も、友情応援で勇気づけたワンシーンは反響。その光景に台湾メディア「今日新聞網」が熱視線を送り「応援団や観客全員が星稜高校を熱狂的に応援する光景はSNSでも話題となり、ネット民からも『とても感動的』『真のスポーツマン精神』との声が出た。一番心温まるフットボールの話だ」と伝えた。
大地震に見舞われた能登地方では、今なお、救助活動が続いており、被災地の物資不足も伝えられている。震災によって多くの犠牲者が発生したなかで、選手権で巻き起こった感動的なワンシーンは世界にも伝播し、その光景に喝采が送られていた。