初の8強進出で歴史を作った正智深谷 「思った以上にやれた」なかで青森山田との間に存在した差

青森山田に1-3で敗戦し、埼玉県勢として24大会ぶりの4強ならず

 第95回全国高校サッカー選手権は5日に準々決勝が行われ、正智深谷(埼玉)は等々力陸上競技場で今年度のプレミアリーグ・チャンピオンシップを制した青森山田(青森)と対戦し、1-3で敗れた。第71回大会で武南が準決勝に進出して以来、埼玉県勢として24大会ぶりのベスト4進出はならなかった。

 3失点したきっかけはスローイン、ロングスロー、オウンゴール。シュート数でも決定機の数でも自分たちのほうが多かったのだから、正智深谷にしてみたら負けた気がしないだろう。崩された場面はあまりなく、敵の守備網を混乱させたシーンは何度もあった。しかし、今年度の高校生年代の王者とのわずかな違いが、ベスト4の分水嶺となった。

 前半9分、初先発した2列目右サイドの西澤悠人がMF小山開喜のスルーパスをトラップミスしなかったら、ビッグチャンスを迎えていた。その4分後、青森山田は右スローインを受けたMF高橋壱晟のクロスをFW鳴海彰人が胸で巧みにトラップし、左足で先制点を蹴り込んだ。

 ひとつのトラップを取っても、この小さな差が結果的には大きな差となってしまう。後半13分の2失点目は、青森山田のMF郷家友太の左ロングスローを186センチのDF三国スティビアエブスが頭で落とし、高橋に突き刺された。青森山田を分析し周到な準備をしてきたのに、この二人の特長を封じられなかったところに甘さがあった。

 小島時和監督は「ロングスローには十分警戒していたのだが……。3点目(のオウンゴール)もアンラッキーとはいえ、相手は点の取り方がうまかった」と潔かった。

 

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