ミランが100億円超の大赤字!? 伊紙「ミランに深刻な亀裂」

 

欧州カップ戦出場権を逃した名門が大幅な収益減に苦しむ

 

 日本代表FW本田圭佑の所属するACミランが2014年シーズンの決算で7000万ユーロ(102億円)もの大赤字を計上することが明らかになった。イタリア地元紙ガゼッタ・デロ・スポルトが「ミランに深刻な亀裂」と見出しで報じている。

 昨季8位に終わり、欧州のカップ戦出場権を喪失したミランの経済的なダメージは深刻だった。2014年の決算は週明けに公表される見込みだが、7000万ユーロもの赤字を単年度で計上することになったという。

 最大の痛手は欧州チャンピオンズリーグ出場権を失ったことで、放映権収入や入場料収入など様々な利益を享受できなくなったことによる損失は4000万ユーロ(約58億円)にも及ぶという。昨季の不振によるクラレンス・セードルフ前監督の更迭、そして、6月のブラジルワールドカップでのイタリア代表の1次リーグ敗退などイタリアサッカー界全体の逆風のあおりも受け、シーズンチケット購入者も史上最低レベルまでに低下していた。

 ミランはバルバラ・ベルルスコーニCEOのもと、本田を前面に押し出した日本企業とのスポンサー契約やアジア市場の開拓、本社機能にミュージアムなどを加えた「カーサ・ミラン」建設など様々な施策を打ち出しているが、経営面ではかなり苦戦を強いられている。

 クラブライセンス制度の導入で、オーナーのポケットマネーのみによるチーム強化は困難な状況に陥っている。オーストラリアやタイなどで不動産事業を展開する「カントリー・グループ」のビー・タエコウボル氏はベルルスコーニ家とミランの買収交渉を持った際、9億ユーロ(約1323億円)を要求されたことを暴露していた。

 今夏の移籍市場でイタリア代表FWマリオ・バロテッリをリバプールに2000万ユーロ(29億円)で売却したが、それも焼け石に水だったのか。本田、元フランス代表FWジェレミー・メネズら移籍金がかからない選手の獲得が多い近年のミランだが、その内情はかなり苦しい様子だ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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