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PK2本献上で退場となった悲運の滝川第二キャプテン 25年前の主将だった指揮官は奮闘に感謝
「彼なりの今後の人生を考えたら…」
そのPKのシーンは、いずれも主将のDF今井悠樹が与えたもので、どちらのプレーでもイエローカードとなり2度目のPKの時点で退場処分になった。3日のゲームの後に「今井のリーダーシップが一番。今大会のなかで成長している」と話していた選手が、失点の場面で目立つ存在になってしまった。自身も主将を務めただけに、松岡監督は今井のことを思いやった。
「結果的に彼がPK2つで退場でしたけど、危ないところで何度も抑えてくれましたから。過酷だけど、彼なりの今後の人生を考えたら、これを糧に成長すると思う。短い目で見ればかわいそうだけど、長い目で見れば財産になると思う。心のあるサッカーをするチームになるというテーマは発揮してくれた」
松岡監督にとって25年ぶりの選手権は、過ぎた日々を思い出させるようなものだったという。
「自分が2回目に出た時はキャプテンとしての責任感で大変だったんですが、監督の今回の方が余裕があった気はします。この選手権で、私は生徒たちと同じ青春を楽しみました。監督という立場になって、3年生がよく頑張ってくれて、涙を流しているのを見たらジーンときます。生徒たちと一緒になって、そういう思いができたなと思います」
ここまで10人の得点者で13得点を奪った全員サッカーは、「総合力がテーマ」という滝川第二を象徴していた。レスター・シティFW岡崎慎司や鹿島アントラーズFW金崎夢生などを輩出してきた名門は、敗れたものの爽やかに大会を去っていった。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
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