大津の水戸内定MF碇、悔しさ胸にプロの舞台へ「点を取れる選手に」 ゴールこだわるボランチの理想像【高校選手権】
大津は昌平にPK戦の末に敗れた
大津(熊本)がPK戦の末に昌平(埼玉)に敗れた。年が明けた1月2日に第102回全国高校サッカー選手権3回戦の舞台で対戦した両校は、大津が2度のリードを奪いながら昌平に2度追いつかれる展開のままPK戦へ。先攻の大津は4人目のFW稲田翼(3年)がセーブされた一方、後攻の昌平は5人全員が決めて決着を付けた。
そんな試合について、水戸ホーリーホック内定のMF碇明日麻(3年)は甘さがあったと悔しげ。
「取った後に追いつかれる。前半もありましたし、後半の最後もあって、まだまだ甘かったかな」
特に前半アディショナルタイム1分の失点はラストプレーでのもので、だからこそハーフタイムには気を引き締めていたと碇。
「前半(先制点を)取った後に取られて、後半も最後の最後の時間帯はああやって(攻撃に出て)くる。やっぱり締めというのを大事にしようというのをハーフタイムに話し合った」
当然、後半28分に勝ち越したあともピッチ内では声を掛け合っていたと話す。
「点数決めた後も、ディフェンスライン全員に対してしっかり、うしろ守り切ろうと、しっかりクリアを大きくはっきりやって粘り強くやろうと声を出した」
しかし、終了間際の後半38分に同点ゴールを奪われてPK戦を戦う事となってしまった。
「PKで負けたというのは運も多少あると思うので、しょうがない部分がありますけれども、今は率直に悔しいです」
そう話す碇は自身が大津の2点にはともに関われており攻撃のキーマンとしての役割は果たせていた。ただし、自らはノーゴールに終わったことについては悔しさを隠さなかった。
「前回の試合(遠野戦)でも点数を取れてなくて。この試合(昌平戦)は結構、センターバックとかも相手は身長が低くて、こっちに分があるなと思っていた。しっかりそこは点数を取りに行ったけど、形的には自分の点数じゃなくて、味方が代わりにこぼれ球と自分のアシストを決めてくれた。そこは良かったかなと思いますけど、結果というところにこだわると、自分としてはとても悔しいです」
碇は今後、戦いの舞台を水戸へと移すことになるが、新たな挑戦に向け早く慣れたいと意気込みを口にした。
「強度の部分で、最初違いもちょっと体感すると思いますけど、そういったのは早い段階で慣れて、結果というところがプロの世界の大事なところで、やっぱりボランチとして出る以上は相手からボールを取る数だったり、自分の良さが攻撃力だと思うので。そこで点を取れる選手になるんだ、と」
ちなみにイメージする選手はレアル・マドリードのMFジュード・ベリンガム。
「高さもあって、足もとの技術もあって前への推進力もあるというところで、やっぱりああいうボランチというのは今、自分としては理想です」
ボールを奪え、さらに点が取れる選手への成長は水戸を新たなステージへと導くはず。期待したいと思う。
(江藤高志 / Takashi Eto)
江藤高志
えとう・たかし/大分県出身。サッカーライター特異地の中津市に生まれ育つ。1999年のコパ・アメリカ、パラグアイ大会観戦を機にサッカーライターに転身。当時、大分トリニータを率いていた石崎信弘氏の新天地である川崎フロンターレの取材を2001年のシーズン途中から開始した。その後、04年にJ’s GOALの川崎担当記者に就任。15年からはフロンターレ専門Webマガジンの『川崎フットボールアディクト』を開設し、編集長として運営を続けている。