鉄壁の前橋育英“2年生DFライン”を救った3年生CB 自身初の選手権で誓う2年前のリベンジ

3回戦で主力のDF角田が累積警告で出場停止 代役の3年生小山が奮闘、無失点も継続

 イエローカードが提示された瞬間から心の準備はできていた。第95回全国高校サッカー選手権は5日に準々決勝が行われ、前橋育英(群馬)は滝川第二(兵庫)に2-0の勝利を収めた。その最終ラインを統率したのが、3年生DF小山翔だった。

 前橋育英の最終ラインは2年生がズラリと並ぶが、小山は3日の3回戦・遠野(岩手)戦までベンチで見守っていた。しかし、そのゲームの前半8分、先制点を挙げた2年生DF角田涼太朗がイエローカードを受けた。これが大会での累積2枚目となり、この準々決勝が出場停止になった。

 小山は「その時点から準備はしてきました」と話した。山田耕介監督も「今まで(角田)涼太朗が出ていない時は(小山が)中心だった。もともと力がある選手だけど、ケガが多かった」と、実力は認められていた3年生DFに、大きなチャンスがやってきた。普段から学年の壁をなくしていくように活動してきたチームだ。試合前日に後輩の角田から「お願いしますよ」という言葉がかけられると、先輩DFは力強く「任せろ」と返してピッチに立った。

 そして、ゲームでは見事に最終ラインを統率し、滝川第二にチャンスらしいチャンスを与えなかった。「ここまで悔しい思いをしてきたけど、自分のやれることはやろうと。相手は意識せずに自分が止めればいい。周りの2年生に頼りながらもまとめようと思っていた」と、センターバックとして安定したプレーを見せてチームの大会無失点も継続した。

 

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