青森山田、圧巻7発の貫禄勝ち V候補対決の8強へ…正木監督「まだまだ試行錯誤です」【高校選手権】

青森山田を率いる正木昌宣監督【写真:徳原隆元】
青森山田を率いる正木昌宣監督【写真:徳原隆元】

3回戦で初出場の広島国際学院(広島)に7-0で大勝

 第102回全国高校サッカー選手権は1月2日に首都圏4会場で3回戦の試合を行い、浦和駒場スタジアムの第2試合では3回優勝の強豪・青森山田(青森)が初出場の広島国際学院(広島)に7-0で大勝した。正木昌宣監督は、交代出場の選手が3得点したことに「次に向けても好材料」と話した。

 序盤こそ広島国際学院が勢いを見せたが、次第に青森山田が地力の差を見せるような展開に。前半12分には左サイドからのクロスを中央でコントロールしたFW米谷壮史が2試合連続ゴールとなる先制点を左足で決めた。しかし、ここから停滞感が出て前半はこのままのスコアで終了。正木監督は「前半はボールを動かすことに執着してしまった。後半はゴールを意識しようという声をかけた」と話す。

 その効果か、後半の立ち上がりにはMF杉本英誉のシュートから最終的に相手のオウンゴールで追加点。後半21分に米谷が追加点を奪うと、1分後にはFW津島巧、さらに2分後には米谷によるハットトリック達成のゴールで5-0と一気にリードを広げた。さらに後半31分にはFW山下凱也が追加点を奪い、試合終了間際にもMF後藤礼智がゴールして7-0の決着になった。

 ハットトリックの米谷はエースの活躍という点で喜ばしいことだが、そのほかではオウンゴールを除く3得点はすべて途中出場の選手によるものだった。正木監督は「代わって入った選手が得点やアシストをして、(高円宮杯)プレミアリーグでも結果を出してきた選手たちですが、誰が出てもパフォーマンスが落ちないというのは次に向けて好材料」と話した。

 大会初戦となった12月31日の2回戦では、飯塚(福岡)を相手に米谷のゴールで何とか追い付いてPK戦の末に突破した。改めて「経験があったとしても難しいところを勝ち切れた。勢いに乗る意味でも大きかった」と話す正木監督だが、準々決勝では地元埼玉代表の昌平と対戦する。プレミアリーグEASTでも対戦してきた相手だけに「相手は地元で応援も多いと思いますが、しっかり勝ちたい。お互いにイメージはあるし、力と力がぶつかる。120%の力で当たってどうなるか」と、厳しい戦いを見据えた。

 昨年まで率いた黒田剛氏は、FC町田ゼルビアの監督に就任して学校を離れた。前回の高校選手権も黒田氏は総監督となり正木監督が指揮を執ったが、今年度は完全に黒田氏が離れての大会になる。選手権について「勝って当たり前と思うようなチームが負け、おっと思うようなチームが勝つ。2回目ですが、まだまだ試行錯誤です」と話す正木監督に率いられ、青森山田は4回目の優勝に向け山場となる準々決勝を迎えそうだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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