アジア杯優勝のキーマン? 日本代表OB「特に期待」…W杯後台頭の2選手指名「チームに勢いが出てくる」【見解】

金田喜稔氏がアジア杯で注目の2選手に言及【写真:徳原隆元】
金田喜稔氏がアジア杯で注目の2選手に言及【写真:徳原隆元】

【専門家の目|金田喜稔】中村敬斗と上田綺世に注目「ここぞの場面で決めないと」

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング17位)は、1月1日に国立競技場で史上初の元日開催となる国際親善試合でタイ代表(同113位)に5-0で勝利後、アジアカップメンバー26人を発表した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は「特に期待している」と2選手の名前を挙げ、「この2人が活躍するとチームに勢いが出てくる」と語っている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 タイ戦で5-0と快勝した森保ジャパンは、試合後にアジアカップに向けた日本メンバー26人を発表。1月14日のグループステージ第1戦でベトナム代表、19日の第2戦でイラク代表、24日に第3戦でインドネシア代表と対戦する。順調に勝ち上がれば現地時間2月10日の決勝まで計7試合を戦う。

 金田氏は「アジアカップでは全員の活躍を期待している」と前置きしつつ、「菅原由勢(AZアルクマール)と毎熊晟矢(セレッソ大阪)が争う右サイドバックは見どころの1つ。菅原がスタメンに定着しつつあるなかで、毎熊も猛アピールしている。どちらが起用されても不思議はない。冨安健洋(アーセナル)は怪我から復帰したが万全とは言えないかもしれない。長丁場の大会を考えれば、板倉滉(ボルシアMG)、谷口彰悟(アル・ラーヤン)、DF町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)らの奮闘もポイントになりそうだ」と分析する。

 また怪我の状態が危ぶまれたMF三笘薫(ブライトン)もメンバー入りし、MF久保建英(レアル・ソシエダ)やMF堂安律(フライブルク)らも順当に選出。金田氏は「三笘、久保、堂安らワールドカップ(W杯)組の実力は分かっているし、万全であれば活躍してくれるだろう」と語る。

 そのなかで、金田氏がとりわけ注目しているのはMF中村敬斗(スタッド・ランス)とFW上田綺世(フェイエノールト)だ。「チーム全体への影響という意味では、特に中村と上田に期待している」と名前を挙げ、次のように続ける。

「ゴールに絡む選手がさらに出てきてほしいし、ここぞの場面で決めないとアジアカップで優勝はできない。そういう意味で、日本代表5戦5発と高い決定力を見せている中村、ストライカーとしてフル稼働が求められる上田のハイパフォーマンスは欠かせない。この2人が活躍すればチームに勢いが出てくるし、戦い方に厚みも出てくるだろう」

 森保ジャパンは2011年以来、3大会ぶり5度目のアジアカップ優勝を目指すなか、金田氏も期待を寄せた。

「メンバー選考にはさまざまな意見があるだろうが、森保監督とスタッフ陣が熟考の末に選んだ今回の26人が今のベストメンバーだ。W杯でベスト8以上を目標に掲げている以上、アジアカップで目指すは優勝のみ。アジアの中で『打倒・日本』で挑んでくる国も多いだろう。そんな警戒網を打破して、優勝してほしい。これだけの素晴らしいメンバーが揃っているのだから決して不可能ではない」

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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