南野拓実、タイ戦1ゴールも…決定機逸は「とんでもないミス」 日本代表OBがアジア杯メンバー入りの理由を分析【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】南野は日本代表戦だと「力が入っている」
森保一監督の率いる日本代表は、1月1日に史上初の元日開催となる国際親善試合でタイ代表と対戦し、5-0と快勝した。途中出場のMF南野拓実(ASモナコ)はチーム5点目をマークし、カタールで開催されるアジアカップのメンバー26人入り。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、森保監督の南野への信頼度の高さに言及している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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森保ジャパンはDF藤井陽也(名古屋グランパス)、MF奥抜侃志(ニュルンベルク)、初招集のMF伊藤涼太郎(シント=トロイデン)がA代表デビュー。前半はタイの堅い守備を崩せずスコアレスで折り返したなか、後半開始からMF堂安律(フライブルク)とMF中村敬斗(スタッド・ランス)を投入すると、同6分にMF田中碧(デュッセルドルフ)に先制ゴールが生まれ、待望のリードを奪う。
南野は1-0で迎えた後半23分、伊東純也(スタッド・ランス)に代わって途中出場。中村、相手のオウンゴール、A代表デビューのMF川村拓夢(サンフレッチェ広島)でリードを4点に広げたなか、南野が後半45分にボール奪取から1人でカウンターで持ち込み、相手GKパティワット・カムマイとの1対1を迎えたが、右足の浮かせたシュートはわずかに左にズレた。
日本代表OBの栗原氏は、「もちろん決めなくちゃいけない。素晴らしいディフェンスから1人でカウンターまで持ち込む場面を作ったという意味では、まずそこを評価しなくてはいけない。ただ、シュートシーンだけで言ったら、あれは本当に大事な試合であればとんでもないミス扱い。絶対に入れなくてはいけない、PKと似たような絶好のチャンス。フェイントでキーパーを動かそうと思ったけど、相手が意外に動かなかったから、ループシュートを狙ってインにかかっちゃって外れたしまったと思います」と分析した。
南野はその後、後半アディショナルタイムに堂安とのワンツーを狙ったボールが相手に当たってこぼれ、ペナルティーエリア内で巧みなタッチから冷静にゴールへ流し込み、チーム5点目を奪取した。
22分間の出場でチーム最多の4本のシュートを放った南野。1ゴールという結果は残したが、栗原氏は「南野なら確実に入れてほしい。正直、代表の時は力が入ってるように見える」と指摘した。
「流れ変えなくちゃいけないというところで外して、その後相手にポンポンとぶつかってたまたま転がってきたボールをゴールしたのでまだ持っているなと感じました。あまり思うように結果が残せていなくてもアジアカップのメンバーに選ばれるということは、信頼度が相当高いんだろうなと。自分も(南野は)現役日本代表の中では数少ない対戦経験がある選手で、凄い能力を持っていて素晴らしい選手なのは肌で感じている。ただ、一番大事なところで結果を出していかないと生き残れない世界。リバプールにも実力で行って、波の選手ではないのはみんな分かっているので、どっかでいわゆるケチャドバ、ゴールを量産してほしいです」
南野は自身2度目のアジアカップで、結果を残せるだろうか。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。