森保ジャパン、タイ戦出場全17選手「パフォーマンス査定」 アジア杯へ“文句なし&アピール不足”の戦力は?

タイ代表戦に出場した17選手を査定【写真:徳原隆元】
タイ代表戦に出場した17選手を査定【写真:徳原隆元】

タイ戦の出場メンバー16選手を5段階査定

 森保一監督率いる日本代表は、1月1日に国立競技場で史上初の元日開催となる国際親善試合でタイ代表と対戦し、5-0で勝利。国際Aマッチ歴代最長となる9連勝を記録した。

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 日本はGKに鈴木彩艶を据え、最終ラインは右から毎熊晟矢、藤井陽也、町田浩樹、森下龍矢を揃えた。田中碧と佐野海舟のダブルボランチで両翼には伊東純也と奥抜侃志、トップ下は伊藤涼太郎が入った。1トップはパリ五輪世代の絶対的エース細谷真大が務めた。

 試合は序盤からペースを握るもなかなかこじ開けられず。A代表デビューが3人、森保ジャパンでの経験が豊富なのは伊東と田中のみということもあり、連係の細かな部分でつなぎきれなかった。後半の頭からは堂安律と中村敬斗を投入。連動性が増した攻撃を見せて4ゴール。2024年第1号は田中だった。

 ここでは各選手たちのパフォーマンスを振り返るべく、出場17選手を5段階評価(最高が5つ星★★★★★)で査定する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

   ◇   ◇   ◇

<GK>
■鈴木彩艶(シント=トロイデン)=★★★★☆
 日本代表の守護神として、フレッシュな最終ラインを最後尾から支えた。枠内シュートも落ち着いてキャッチ。

<DF>
■森下龍矢(名古屋グランパス)=★★★★☆(→後半23分OUT)
 猛アピールが必要ななか、気持ちが感じられるプレーを序盤から見せた。前半9分にはドリブルで相手をかわし中央に切り込む姿勢も見せた。

■三浦颯太(ヴァンフォーレ甲府→川崎フロンターレ)=★★★☆☆(←後半23分IN)
 異例のJ2選手が代表デビュー。4点目起点となる逆サイドへ通すパスで、堂々とプレーした。

■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)=★★★☆☆
 相手のチャンスは数少なかったが、経験の浅い藤井を牽引。守備の安定感は問題ななかった。

■毎熊晟矢(セレッソ大阪)=★★★★☆(→後半33分OUT)
 出場を重ねるにつれて、頼もしさが増している。試合の入りから高いパフォーマンスを発揮。前半3分でいきなり伊東へ絶妙なパスを出し、同10分には浮き球で細谷に通すアイデアが光っていた。

■菅原由勢(AZアルクマール)=※出場時間短く採点なし(←後半33分IN)
 森保ジャパンのレギュラーとして、4点目を演出するクロスはさすが。堂安とのワンツーのアイデアも攻撃に厚みをもたらすものだった。

■藤井陽也(名古屋グランパス)=★★★☆☆
 念願のA代表デビュー戦で町田とともにセンターバック(CB)を務めた。危なげないシーンはなく、今後の飛躍に期待したい。

後半から流れを変えた堂安と中村が満点評価

<MF/FW>

■田中 碧(デュッセルドルフ)=★★★★☆(→後半33分OUT)
 2024年第1号。佐野との慣れないコンビを牽引しつつ、後半からはギアを入れて今年の初ゴールを奪った。昨年9月、10月にもゴールしており、コンスタントに得点。脅威のあるボランチになっている。

■川村拓夢(サンフレッチェ広島)=※出場時間短く採点なし(←後半33分IN)
 デビュー戦で、出場後わずか4分でA代表初ゴール。一度相手GKに弾かれながらも、諦めずに詰めていたことでゴールを奪えた。昨年招集された際の悔しさを晴らす魂が込められた一発だった。

■佐野海舟(鹿島アントラーズ)=★★★★☆
 初先発でも持ち味のボール奪取を発揮。臨機応変にアンカーへ入り、前線へも鋭いパスを通した。フル出場でアピールした。

■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★☆(→後半23分OUT)
 キャプテンマークを巻いて、前半のチャンスシーンは伊東からというほどの孤軍奮闘。堂安と中村が入った後半は攻撃陣の迫力が増し、田中のゴールをお膳立てした。

■南野拓実(ASモナコ)=★★★★☆(←後半23分IN)
 ファーストタッチでシュート、入って4分で追加点を演出とチャンスに絡む力を発揮。決定機でなかなか決められていなかったが、約1年11か月ぶりとなるゴールは安堵したことだろう。

■伊藤涼太郎(シント=トロイデン)=★★★☆☆(→ハーフタイムOUT)
 初招集でA代表デビュー。トップ下でファンタジスタらしい遊び心のあるパスや、ミドルシュートなどでチャンスを演出した。

■堂安 律(フライブルク)=★★★★★(←ハーフタイムIN)
 後半頭から出場して流れを一気に変えた。前半は膠着気味だったなか、トップ下で伊東、中村との連係面で質の高さを見せつけた。先制ゴールを演出した伊東へのパスは会場が沸いた。

1トップで出場した細谷真大【写真:徳原隆元】
1トップで出場した細谷真大【写真:徳原隆元】

フル出場の細谷はゴールがほしかった

<MF/FW>

■奥抜侃志(ニュルンベルク)=★★☆☆☆(→ハーフタイムOUT)
 追加招集された昨年10月シリーズは体調不良でほとんど練習に参加できず。満を持して得たチャンスだったが、周囲の経験も浅く、連係面での苦悩が見られた。結果でもう少しアピールしたかった。

■中村敬斗(スタッド・ランス)=★★★★★(←ハーフタイムIN)
 国際Aマッチ出場5戦で5発という圧倒的な決定力、アタッカーとしての嗅覚は随一だ。後半頭から出場して、同16分には右クロスにフリーの状態で入っていくポジショニングの良さ。同27分にはこぼれ球に反応してゴールを挙げた。日本代表に欠かせない選手へと成長を遂げている。

■細谷真大(柏レイソル)=★★★☆☆
 前半10分、同40分と柏の先輩、伊東からのクロスや、同23分には佐野からのパスを収められず、ゴールが遠かった。もう少しアピールしたかった。

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