王者・青森山田に真骨頂ハイプレス勝負 飯塚が惜敗も2大会連続出場に手応え「自分たちが伝統校に近づいていけるもの」【高校選手権】
狙い通りの形で先制するも同点に追い付かれてPK戦で敗退
第102回全国高校サッカー選手権は12月31日に首都圏8会場で2回戦を行い、浦和駒場スタジアムの第1試合では飯塚(福岡)が優勝経験校の青森山田(青森)をあと一歩まで追い詰めるも、1-1の同点からのPK戦で敗れて姿を消した。
2年連続2回の出場になった飯塚は、青森山田の伝統になっているロングスローに対しても守備陣もGK松﨑鴻毅が中心にいい対応を見せた。ただし、それは中辻喜敬監督が「セットプレーの守備は気合い」と笑ったように本線ではないもの。真骨頂は「相手が1年間52週間セットプレーをやるなら、こっちは1年間52週間ハイプレスをやる」という全体を押し上げていく真っ向勝負。中辻監督が「うちの切り込み隊長」と話したFW原翔聖とFW大園治慈が相手の最終ラインと戦いながらボールをキープし、チームを機能させた。
そして後半24分、飯塚は前線に入ったボールに対して押し上げると、相手のクリアボールを弾いたところに原が反応。競り勝ってボールをキープすると、キックフェイントから縦に持ち出して左足シュートを決めて先制に成功した。まさに狙い通りの形で先制した。
その後も守りに入ることなくハイプレスの姿勢を変えなかった。結果的に同点ゴールを許したが、中辻監督は「地元でも4か所でパブリックビューイングをしてくれて、本当に喜んでもらっている。そこで守る、逃げるではなく、戦うところを見せよう」という思いで戦い続けたと話した。
PK戦で涙はのんだものの、中辻監督は青森山田との因縁を選手権への出場を逃した2年前、会場となった浦和駒場スタジアムのサブグラウンドで青森山田のBチームと練習試合をして完敗したところからのスタートだと話し、「敗者復活戦で、成長は掴めた。勝利は次に取っておこうと思う」と、悔しさはありつつも手応えも話した。
福岡県には高校選手権3回優勝の東福岡など伝統校もある。それだけに、2年連続出場の意義を「自分たちが伝統校に近づいていけるもの。全国に出てみて、県大会とあまり変わらない。福岡の決勝は凄いんだと、全国に来て感じる」と話す。そして「当たり前のレベルが上がる。全国に行くのが当たり前という雰囲気になったことで、より高みを目指していける」とも話した。
来年の3年生世代は2年連続で全国の舞台に出るチームを知ることになる。福岡で存在感を大きくしているハイプレス集団が全国でもその名を轟かせる日が近づいているのかもしれない。