8人PK成功の秘訣「昨日の練習でも全員が決めた」 東京勢・堀越の指揮官が明かしたプランとは?【高校選手権】
堀越は0-0で迎えたPK戦の末、初芝橋本に勝利
第102回全国高校サッカー選手権は12月31日、駒沢陸上競技場で初芝橋本(和歌山)対堀越(東京A)の2回戦を行い、0-0で迎えたPK戦の末、堀越が3回戦へと駒を進めた。7人目まで成功するサドンデスとなったが、堀越の佐藤実監督は「内容としては、初芝橋本さんのゲームだった」と劣勢を認めつつ、「昨日の練習でもPK戦をやったが、全員が決めた」と、PK戦を見据えた戦い方へのシフトを明かしている。
試合はやや初芝橋本が押し込む展開となったなかで、堀越は従来の4-3-3システムから、4-4-1-1システム気味の立ち回りで、守備に穴を開けない我慢の戦い方で80分間をしのいだ。PK戦では両チームともに5人目まで成功させ、サドンデスに突入。先攻の堀越が8人目を成功させた一方、後攻の初芝橋本は失敗し、堀越が3回戦へと駒を進めた。
試合後、佐藤監督は「内容としては、初芝橋本さんのゲームだったと思っている。相手のチームの狙いもハマっていたし、ゴール前のチャンス数もそう。我々はなかなかゴールに迫ることができなかった」と、80分間の試合では劣勢を強いられたことを認めつつ、「PKの練習は、かなりの数をやっている。昨日の練習でもPK戦をやったが、全員が決めた。10対10で、GKを含めて全員が決めていたので、落ち着いて取り組めた」と明かした。
堀越は東京予選でもPK戦を2回経験していたが、「(今日のPK戦勝利に)生きていると思う。やはり本番でやるPKと練習でやるPKは全くの別物。今年はインターハイでもPK戦があって、その時は負けている。PK戦の実戦もかなりの数をこなしてきた」と、練習だけでなく公式戦のPK戦も経験値として豊富だ。
試合内容では劣勢だったことから、「ハーフタイムに(PK戦のことを)言った」と、先制点の献上を避け、PK戦を見据える戦い方を提案していたようで、「選手権は甘くないんで、自分たちがしたいことなんてほぼできない。こういう試合をいかに拾っていくかが勝ち上がる方法だと思っている」と、泥臭く勝利にこだわったと振り返っている。
PK戦の順番は選手たちに一任しており、「自分のPKは、自分なりの形があったりするので、こういう風に、ああいう風にしなさい、と言うことはない」としつつ、1点だけ「強いボールは(コースが読まれても)入ることが多いので、弱い状況で蹴るなと、悔いなくやれと」とアドバイスしているという。苦手意識なくPK戦に臨める経験値やマインドは一発勝負の選手権において重要な要素であることは間違いないだろう。
(城福達也 / Tatsuya Jofuku)