静岡学園のCB大村が先制のゴールを挙げた

　12月29日に行われた第102回全国高校サッカー選手権1回戦の静岡学園（静岡）対明徳義塾（高知）は前半開始早々の3分に試合が動く。コーナーキック（CK）からの流れで決めたのはセンターバック（CB）の大村海心だった。

「開始早々決めれたので。チームが波に乗れたなと思ってます」

　そう先制点を振り返る大村は「決めてやろうっていう気持ちがあって。すぐにCKがきたので。1発目がダメだったんですけど、（セカンドボールが）こぼれてコマサ（志賀小政）から来たので。そこでもう1回、諦めずどんどん狙って、決められました」とチームメイトに感謝していた。

　最終的に大量6得点を奪った静岡学園にあって大村は後半30分にも泉光太郎が蹴るCKを頭で合わせ、チーム5点目をマーク。1試合2得点と勝利に貢献した。右サイドバック（SB）で1得点した野田裕人と合わせ、6点中3点を守備陣が奪う結果となったが、それについて大村は「静学はどこのポジションでも点を決められるというのはみんなに見せられたので。そこの部分は僕らの武器でもありますし、まだ試合が続くんですけど、前だけじゃなくて、後もしっかり点を取って。無失点が絶対なんですが、得点にも関われるっていうところを意識していきたいと思ってます」と胸を張った。

　ちなみに大村の本職はCB。コンビを組む岩田琉唯とともに、明徳義塾のエース、吉田凱を封じ込め、無失点での勝利に貢献。自身の2得点と無失点試合とどちらが嬉しいのかとの問いに対しては「難しいですね。両方です（笑）」と苦笑いしていた。

　なお、大村は試合内容については反省すべき点が多いと表情を引き締めている。

「結果は6-0でしたが、内容が全然、ミスが多くて、もたつくシーンも多かったので。そこはもっと内容を突き詰めて、圧倒して勝ちたいと思います」

　そう戒める大村ではあったが、前半、個人技に走りがちだったチームメイトの姿勢についてはそれがストロングポイントだと各選手の判断を尊重していた。

「個人個人、技術がしっかりしてるので。全員がやっぱ個人で剥がせるし、チームでも剥がせるので。そこはストロングなポイントだと思っています」

　なお、そうした個人技を始めとする、見せるプレーへのこだわりは川口修監督からの教えを受けてのもの。

「監督からもプレーで勝つだけじゃダメって言われてて。プレーで見せろと言われているので」

　そう話す大村は「バックラインでは、大きな派手なプレーができないので」としつつ「得点の部分で見せられたのは大きいと思います」と話していた。

　最後になるが、この日浦和駒場スタジアムには川崎フロンターレの大島僚太選手が母校の応援に駆けつけており、大村もその姿を目にして気持ちが引き締まったという。

「パッと見ただけでしたが頑張るぞと思いました。あれだけ活躍しているOBの選手が来てくれて。やっぱり、情けないゲームはできないので。一気に気持ちが盛り上がって頑張ろうと思いました」

　OB選手の激励を力に、静学が好発進している。