J1川崎内定FWが復活の2発「気持ち良かったですね」 怪我の苦難も…背景にあったチームへの信頼「感謝したい」【高校選手権】
バースデーゴールの神田が静岡学園の快勝に導く
第102回全国高校サッカー選手権1回戦、静岡学園(静岡)対明徳義塾(高知)が12月29日に行われた。静岡学園は来季川崎フロンターレに加入内定のFW神田奏真の公式戦5か月ぶりのゴールなどもあり6-0で勝利した。
「気持ち良かったですね(笑)」
そう笑顔を見せた神田は「前半の後らへんとか、相手が勢いに乗ってて、ちょっと苦しい時間もあったんで。そこは耐えるしかないと思ってて。前半2点決めていたっていうところで3点目を決めたら相手も心、折れるかなって思って。その時に野田(裕人)が後半に良いボールをくれたので。あれは合わせるだけっていう感じでした」と後半10分の自身の1点目を解説。さらに、同13分にも野田からのクロスを頭で合わせチームの4点目を奪い試合を決定づけた。
自らの2ゴールで勝利に導いた形の神田ではあるが、実は9月上旬に両足の手術を決断している。その結果、県予選はチームメイトに託す形になっていた。
「県大会に出られないっていうのは分かっていたことで、そこはもうチームが行ってくれるっていう風に思ってたので。すぐ決断しました」
ただ、その決断により、神田は足の心配をせずに選手権に臨むことができたことになる。
「早目に(手術を)やって、こうやってチームが全国に連れて行ってくれたからこそ(ゴールできた)、やっぱやって良かったなというふうに思えるので。チームメイトに感謝したいです」
そんな神田はこの日が自身の18歳の誕生日。組み合わせが決まった時に分かっていたことではあるが、バースデーゴールは意識していなかったという。
「今日試合に入る前は誕生日のことは気にせず、とにかく久しぶりの試合だったんで。点欲しいっていうことしか考えられなかったんで。そこは考えず、たまたまこういう日で特別な日だったという感じです。初めてです」
ちなみに静岡学園の応援団は、すかさず神田のバースデーゴールを祝うバースデーソングを歌ったが、それについては「聞こえました。嬉しかったです」と笑顔を見せた。
怪我上がりだということもあり、後半60分にベンチに下がった神田ではあるが体力的にきつかったため。だからこそ、上げていくしかないと述べている。
「多分もっともっと強度が上がれば、もっともっと多分きつくなると思うんですけど、これからそれは徐々に徐々に上げていくしかないと思っているんで。そこはもう頑張ってやっていきたいなと思います」
試合に出ることでコンディションは上がってくるはず。
「ずっと狙ってきてたんで」と話す得点王を手にするために「次の試合でも最低2点以上は決めたいなと思ってます」と力強かった。
江藤高志
えとう・たかし/大分県出身。サッカーライター特異地の中津市に生まれ育つ。1999年のコパ・アメリカ、パラグアイ大会観戦を機にサッカーライターに転身。当時、大分トリニータを率いていた石崎信弘氏の新天地である川崎フロンターレの取材を2001年のシーズン途中から開始した。その後、04年にJ’s GOALの川崎担当記者に就任。15年からはフロンターレ専門Webマガジンの『川崎フットボールアディクト』を開設し、編集長として運営を続けている。