“三笘不在”の左サイド、森保ジャパンのアジア杯「序列」は? 1番手・中村敬斗に続くニューヒーロー候補【コラム】
三笘の負傷状況についてブライトン監督が1か月以上の離脱が必要と言及
日本代表は12月28日、来年1月1日の国際親善試合タイ戦(国立競技場)に向けて合宿をスタートさせた。アジアカップへの強化試合となるなかで、森保ジャパンにとって衝撃となるニュースも浮上。イングランド1部ブライトンに所属する日本代表MF三笘薫の状況についてロベルト・デ・ゼルビ監督が言及し、離脱期間は「4~6週間」に及ぶとした。アジア杯の出場が絶望的となり、5度目の優勝を目指す日本にとってはエース級の欠場は厳しいものとなる一方、左ウイングの戦力はアピールのチャンス。アジア杯本大会に向けて、森保ジャパン第2次政権の左サイド序列を考察する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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三笘は現地時間12月21日に行われたプレミアリーグ第18節クリスタル・パレス戦(1-1)で試合終盤に左足首を負傷。試合後には松葉杖姿で会場をあとにする姿も捉えられていた。負傷の状況が不透明だったなかで、デ・ゼルビ監督は12月28日のプレミアリーグ第19節トッテナム戦に向けての会見で三笘の状況について言及。「私たちはカオルを4週間、5週間、あるいは6週間失うかもしれない。彼はアジア杯には出場できないと思います」と、完治に最低でも1か月は必要であることを伝えた。
日本のエースとして活躍が期待されていた三笘だが、来月14日に初戦を迎えるアジア杯の出場は絶望的となった。三笘不在となる左サイドだが、“代役”は誰になるのだろうか。
筆頭はフランス1部スタッド・ランスのMF中村敬斗だろう。10月のカナダ戦で負傷したものの、12月20日、リーグ・アン第17節ル・アーブル戦(1-0)で、約9月26日第6節リール戦以来となる約3か月ぶりの今季2ゴール目をマーク。復活の一撃はニアサイドへぶち込んだダイレクトボレー弾とシュートの上手さを見せつけた。森保ジャパンでも4戦4発と驚愕の決定力を誇っている。年代別代表からともにプレーしてきたMF久保建英(レアル・ソシエダ)との連係の良さも光り、アジア相手に大きな得点源となることだろう。
アジア杯のメンバー選出が濃厚なFW浅野拓磨(ボーフム)は11月のワールドカップ(W杯)アジア2次予選で左サイドに入った。また、こちらもメンバー入りすると見られるMF南野拓実(ASモナコ)は第2次森保ジャパン入り後、指揮官が「左もできる」と話してきたが、ウイングの位置では実際にプレーはしていない。より中央への適正があることから、左に関して序列は高くないだろう。11月、シリア戦で後半途中から左に挑戦したのはMF伊東純也(スタッド・ランス)で久保との共存で新たなオプションとしては期待できる。
一方でやはりスペシャリストの台頭には期待が懸かる。タイ戦のメンバーに選ばれているMF奥抜侃志(ニュルンベルク)は、10月に招集されながらも体調不良でトレーニングから万全のパフォーマンスを発揮することはできなかった。再チャンスとなる今回の合宿でどこまでインパクトを残せるかがカギだ。
実績、経験値から言うと、MF相馬勇紀(カーザピア)が有力。W杯予選の初戦となる11月ミャンマー戦で先発出場を勝ち取った。サイドバック(SB)やウイングバックなど様々なポジションをこなせることから本大会の試合への登録人数が23人のままであることを考えると、逆転でのメンバー入りの可能性は出てくるだろう。
三笘不在で臨むアジア杯。それでも、現在8連勝を記録している森保ジャパンにとっては層の厚さを示すチャンスでもある。2011年、優勝した際には決勝で記憶にも記録にも残るゴールをFW李忠成が決めた。エースが不在になったとしても、“ニューヒーロー”の出現を心待ちにしたい。