高校サッカー選手権、出場校パワーランク「関西・中国編」 京都橘、高川学園ら常連校が集結…“唯一”の優勝候補クラスは?
攻撃力、守備力、タレント力から独自に「パワーランク」として査定
第102回全国高校サッカー選手権が12月28日に幕を開ける。来年1月8日に行われる決勝戦を制し、日本一に輝くのは果たしてどの高校か。各都道府県の予選を勝ち抜き、代表校になった48校の実力を攻撃力、守備力、タレント力から独自に「パワーランク」として査定。ここでは「関西・中国」地域のトップ10を紹介する。
※攻撃力、守備力、タレント力は5段階評価(最高が五つ星=★★★★★)
※評点基準=A:優勝候補クラス、B:ベスト4進出候補クラス、C:ベスト8進出候補クラス、D:ベスト16進出候補クラス、E:大穴(ダークホース)候補
■1位:米子北(鳥取/14年連続19回目)
攻撃力:★★★★☆(4)
守備力:★★★★★(5)
タレント力:★★★★☆(4)
評点=A
飛び抜けたタレントがいるわけではないが、チームとしての共通認識の浸透度、やるべきことをきちんとやりきる強さは全国ナンバーワンではないか。全員がハードワークを怠らず、素早い攻守の切り替えを駆使して、常にベクトルを前に向けている。ボランチMF仲田堅信(3年)、FW森田尚人(3年)はチームを力強く牽引する頼もしき存在だ。
■2位:岡山学芸館(岡山/3年連続6回目)
攻撃力:★★★★☆(4)
守備力:★★★★☆(4)
タレント力:★★★★☆(4)
評点=B
昨年度の選手権優勝経験メンバーがチームの中核となる。前回大会でハイパフォーマンスを見せたGK平塚仁(3年)、ボランチのMF田口裕真(3年)、右MF田邉望(3年)、左MF木下瑠己(3年)がさらなる成長を見せ、さらにFW太田修次郎、FW香西健心ら頼もしき2年生も台頭。今年のインターハイベスト8、プリンスリーグ中国2位と結果を残すなど昨年同様に実力派チームだ。
■3位:京都橘(京都/3年ぶり10回目)
攻撃力:★★★★☆(4)
守備力:★★★☆☆(3)
タレント力:★★★★☆(4)
評点=B
ここ2年は東山高の後塵を拝すことになっていたが、今年は県大会で王者奪還を達成した。注目はFW西川桂太(3年)とFW宮地陸翔(2年)のツートップで、ともに技術と状況判断能力に優れている。当初は中盤でその才を発揮していたが、夏以降に前線にコンバート。ゲームを作ることもでき、決め切ることもできるコンビとして、チームを上昇気流に導いている。
■4位:近江(滋賀/2年連続3回目)
攻撃力:★★★☆☆(3)
守備力:★★★★☆(4)
タレント力:★★★☆☆(3)
評点=C
強化8年目を迎え、着実に関西屈指の強豪校として頭角を表している。右サイドバックのDF鵜戸瑛士(3年)、チームの攻守の要である攻撃的DF金山耀太(3年)、展開力のあるボランチのMF川上隼輔(3年)と各ポジションに能力のある選手を配置。プリンス関西1部で2位に食い込んで、プレミア昇格まであと一歩のところまで迫った実力は本物だ。
■5位:高川学園(山口/5年連続29回目)
攻撃力:★★★★☆(4)
守備力:★★★☆☆(3)
タレント力:★★★★☆(4)
評点=C
今年のチームはアタッカーに面白い選手を並べている。1年次から存在感を発揮していたエースストライカーのFW山本吟侍(3年)に加え、鋭い動き出しが光るFW行友祐翔と前線のハードワーカーFW田坂大知の2年生ストライカーの存在も攻撃に厚みと深みをもたらす。2年前の選手権で話題をさらった『トルメンタ旋風』の再来を誓う。
強豪・履正社を下して“全国行き”、東海大仰星の武器は攻撃力
■6位:東海大仰星(大阪/7年ぶり6回目)
攻撃力:★★★☆☆(3)
守備力:★★★★☆(4)
タレント力:★★★☆☆(3)
評点=C
激戦区・大阪を勝ち抜いた東海大仰星は、決勝でプレミアWESTに所属する履正社を4-0で下すなど、ツボにハマった時の攻撃力は凄まじいものがある。MF中山蓮(3年)とMF高山陸(3年)のダブルボランチが出足の鋭いボール回収から攻撃の起点となり、決定力の高さが光るFW水永直太朗(3年)とFW小林旺誠(3年)がゴールを陥れる。守備陣にはサイズと強さを持った選手を揃え、GK森本真幸(3年/186センチ)、DF松村瞭(3年/183センチ)、DF平井大地(3年/180センチ)を軸とした守りは簡単には崩れない。
■7位:神戸弘陵(兵庫/3年ぶり12回目)
攻撃力:★★★★☆(4)
守備力:★★★☆☆(3)
タレント力:★★★☆☆(3)
評点=C
頭脳的で高さと正確な左足を持つDF岡未來(3年)を軸にした堅い守備をベースに、左のFW北藤朔(3年)と右のFW石橋瀬凪(2年)の両ワイドのドリブラーの突破力からFW馬場悠平(3年)がゴールを射抜く。プリンス関西2部ではリーグ最多(2位と12ゴール差)の51ゴールを叩き出して優勝するなど、爆発力のあるチームだ。
■8位:立正大淞南(島根/2年連続20回目)
攻撃力:★★★☆☆(3)
守備力:★★★☆☆(3)
タレント力:★★★☆☆(3)
評点=C
中央をこじ開けてゴールを射抜く。今年も立正大淞南の伝統的なスタイルは変わらない。エースナンバー17を背負うFW永澤叶太(3年)とMF三島拓人(2年)の機動力に連動して、ドリブルやワンツーを駆使して相手の守備網を打開していく。見ていて面白いサッカーだ。
■9位:初芝橋本(和歌山/3年ぶり17回目)
攻撃力:★★★☆☆(3)
守備力:★★★☆☆(3)
タレント力:★★☆☆☆(2)
評点=E
FW竹内崇真(3年)、FW朝野夏輝(3年)、FW神戸賢(3年)の前線3枚の攻撃力を軸に、3-4-3の布陣を敷き攻守の切り替えの速さを見せる。今年のインターハイでは国見(長崎)に0-1で敗れ初戦敗退。決めきれない課題をしっかりと解消して冬の舞台に臨んでくる。
■10位:広島国際学院(広島/初出場)
攻撃力:★★★☆☆(3)
守備力:★★★☆☆(3)
タレント力:★★☆☆☆(2)
評点=E
初出場だが、ここ数年は「いずれかは時代が来る」と言われていたチームだ。全体でボールを動かすことができ、相手に応じて攻撃の形も変化できる。彼らに必要なのは経験。インターハイで全国初出場したことで、さらなる成長を遂げたように、初の冬の大舞台で自分たちの力を発揮する。