「止める自信あるので」 佐野日大を8強に導いたGK中村、なぜ2本のPKストップは生まれたのか

1本目は逆に動き、即座に軌道修正

 佐野日大は1人目の梅澤が失敗すると、後攻の一条は1人目からきっちりと成功させた。「1本目は自分の中で慌てた部分があって、逆に動いてしまった」という中村だが、「その反省を生かして2本目からは構えとか全部変えた」と即座に軌道修正。中村の自信は揺るがなかった。小・中学校時代からPK戦になれば、最低でも1本は止めてきたという経験がこの大舞台でも生きていた。

 2人目で登場した加茂のキックを完璧な読みで防ぐと、4人目のFW秋月健のシュートは逆を突かれるも、残った足で止める粘り強い対応を見せた。

 海老沼秀樹監督は「ミスを引きずらない。PK戦の前に『勝てるぞ』っというくらい前向きな強い姿勢がある」と中村の精神力の強さへ絶大な信頼を置いている。

 5日の準々決勝は駒澤大高(東京A)と対戦する。得意のPK戦を制した中村は「歴史を塗り替えたい」と高らかに語った。初のベスト4へ、佐野日大が上昇気流に乗った。

【了】

石川 遼●文 text by Ryo Ishikawa

 

 

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