出場停止で準々決勝は無念のスタンド観戦

「しまったというか、手が置いていかれるような感じになってしまって。イエローを1枚もらっているのを忘れていたので、我に返った時はショックでした。でも、この試合を勝たないと次もないので、しっかりやらなければと」

　この試合が大会3試合目の前橋育英は、後半に運動量が落ち、決定機も数回作られた。それだけに「今日は裏も取られて、決められておかしくないものもあった。表面的には気を引き締めていたけど、イチフナ（市立船橋）に勝って大丈夫だろうというのが心のどこかにあったのかもしれない」と、最終ラインの核として反省も口にした。

　ベスト8は無念のスタンド観戦となる2年生センターバックは、「次は本当に仲間を信じるしかない。埼スタ（埼玉スタジアム）に本当に行きたい」と、チームメートに準決勝進出を託す。ここまで無失点の名門は、殊勲の角田をベスト4の舞台に連れて行くことができるだろうか。

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轡田哲朗●文　text by Tetsuro Kutsuwada