「試合の後にみんなからイジられました」

　それでも「（GKで主将の中村）一貴がいて励ましてくれたんで泣くまでに至りませんでした」と冷静さを保ち、仲間のPK戦を最後まで見つめられた。結果的にPK戦は4-3で佐野日大が勝利。同校にとって1998年度以来となる同大会8強進出を果たした。PK戦に持ち込まれながらの粘り勝ちにチームのムードもいいようだ。梅澤はこう明かす。

「試合の後にみんなからイジられました。『（スーパーゴールとPK失敗で）チャラだ、チャラ』って」

　それでも梅澤は反省点も忘れない。佐野日大は高校総体までの4-4-2から3バック、守備時には完全に5バックになるシステムで守備の安定化を図った。そのなかで梅澤はこの日のプレーを「今日は上がりすぎました」と分析。この日同会場で先に行われた第1試合で4得点と山梨学院に快勝した駒澤大高戦に向けて、守備意識をさらに強めて臨もうとしている。

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茂野聡士●文　text by Satoshi Shigeno