「必要なのはワンダーボーイ」 川崎フロンターレの“大津高校コンビ”が語る選手権
谷口が挙げるポイントは「ワンダーボーイ」
谷口は2007年に大津に入学。2年生の時にレギュラーとして、選手権のピッチを踏んだ。
「選手権は高校の集大成。囲み取材というのも初めて体験できた。囲み取材を経験するというのは、とても誇りに感じたし、その環境に常に身を置いているプロの選手を素直に羨ましいな、と強く思った」
この貴重な経験が、谷口の「プロになりたい」という夢を目標に変えたきっかけとなった。そして、実力差が必ずしも結果に伴わない選手権を勝ち進むポイントについて言及した。
「チームとして1つになっていること。そして、ワンダーボーイのような存在が必要かなと感じています。途中から出場した選手が点を取ったりすると、チームがより勢いに乗るし、例えばその次の試合で劣勢な状況にあっても、その選手が途中から出てきたら『いけるぞ!』という雰囲気が一気に出たりする」
谷口は選手権の戦いについて「高校サッカーの一発勝負は、プロのそれとは違い、対戦相手の隅々まで研究し尽くすというのはなかなかない」と見解を述べ、「だからこそ、そのようなワンダーボーイが突如現れることだってあるし、そのようなチームが勝ち進んだりもする」と、選手権では予期せぬヒーローの登場が鍵を握ることを主張した。
卒業後、筑波大学を経て川崎に加入。昨季はチームで唯一リーグ戦全試合に出場している。車屋、谷口は現在、ともに川崎で不可欠な存在となっているが、その背景には高校サッカーの経験が確かに息づいていた。
【了】
城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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