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浦和、クラブW杯参戦の成果は? 選手“手応え”実感…西川「ただ参加しているだけじゃなかった」【現地発】
クラブW杯を4位で終えるも、今後の成長へ有意義な大会に
浦和レッズはサウジアラビア開催のクラブ・ワールドカップ(W杯)で、12月22日の大会最終日に行われた3位決定戦でアフリカ王者アル・アハリ(エジプト)に2-4で敗れた。この大会を4位で終えたが、特に準決勝で世界最強のマンチェスター・シティ(イングランド)と対戦したことは1つのトピックになった。主将のDF酒井宏樹は「実際にいろいろな選手と話していて、響いていた選手がかなりいた」と好影響を期待した。
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浦和は15日に大会初戦のクラブ・レオン戦(メキシコ)に1-0で勝利し、19日にマンチェスター・シティ(イングランド)に0-3で敗戦。そして中2日でアル・アハリ戦だった。その間、レオン戦とシティ戦は全く同じスタメンで、アル・アハリ戦ではMF大久保智明が欠場してDF酒井宏樹がスタメン出場。8日間で3試合を行ったが、ほぼスタメン固定だった。その試合は前半から疲労度が隠せずに2失点。前半終了間際にFWホセ・カンテ、後半の早い時間でショルツが決めて追い付いたが、力尽きるかのように2失点を重ねて終えた。
酒井は11月上旬に膝の手術を行い全治3か月とされていたが、約1か月で復帰。クラブ・レオン戦で途中出場し、シティ戦は出場しなかったものの、アル・アハリ戦にはスタメン復帰して後半途中までプレーした。シティと戦う前日、「大事なのは失点を食らった時のリアクション。チームとして戦えるかどうかは、例えばドイツ戦はすぐ決められましたし、スペイン戦もそうですよね。そこでチームとしてどうリアクションしたかが結果に反映する」と、昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)で日本代表がドイツ代表やスペイン代表に逆転勝ちしたことを引き合いに出して話した。
そしてシティ戦、前半アディショナルタイムにオウンゴールで先制を許すという厳しい展開だった。だが、逆に言えば酒井の話す「リアクション」を見せられるかが問われた。そして、ハーフタイム明け直後に決定機を作ったが決められないでいると、後半7分に追加点を奪われた。酒井はベンチで戦況を見つめ、「僕としては0-1になった時のリアクション、後半の最初から相手に襲い掛かるようなやつをもう少し見たかったと思いますけど、やっぱりやっている選手たちが感じることは全然違いますし、僕はベンチから見ていたのでそこに関して何も評価はできないです」と話す。
今大会で世界の3クラブと対戦、出場した意味と価値への活かされ方に期待
一方で自身はマルセイユ時代にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で対戦経験のあるシティとの試合を経験したことについて、「あれだけの強い相手なので、感じるものはすごく大事にしてほしいです。実際にいろいろな選手と話していて、響いていた選手がかなりいたので。そういうのも含めて成長がすごく楽しみだと思います」と、浦和の選手たちへの期待を話す。
また、酒井は「僕も外から見ていて、シティの選手たちのような存在の選手にJリーグでならないといけないと思いますし、浦和レッズの選手と戦うことで憧れるような。それは近い将来は難しいかもしれないですけど、そういう選手たちになるように上を目指していかないといけないなと強く思ったので。出ていなかったけど、僕にとってもすごくいいモチベーションになりました」とも話した。
大会を終えて、GK西川周作も「ただ参加しているだけじゃなかったなというのはすごく感じていて、負けたあとにみんな悔しがっていましたし、自分たちはこのままじゃだめだというのは、僕を含めて全員が肌感覚で感じたと思います。そういう姿勢だったりを見て、ベストを尽くした甲斐があったなと思いました」と話した。
浦和は2000年代に黄金期と呼ばれる時期があったが、04年夏にアルゼンチンの強豪ボカ・ジュニアーズと親善試合で対戦してぐうの音も出ないほどに力の差を見せつけられ、選手たちの目の色が変わったことがのちに生きたという。このクラブW杯に参加して、北中米カリブ海王者クラブ・レオン、欧州王者シティ、アフリカ王者アル・アハリと対戦したことを生かせるのかどうか、出場した意味と価値はこれからさらに見せられるはずだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)