鹿児島城西の“鹿島イズム”

　鹿児島城西の根底には“鹿島イズム“が宿っている。生駒は「勝負事で、特にトーナメントなので。内容は二の次に、とにかく結果を取りに行く。それをチームで共有している」と語り、結果至上主義の浸透が実を結んでいると明かした。

　生駒自身の信念は「どんな状況であれ、失点をしないこと。大差でリードしていても、それは変わらない」とクリーンシートへの強いこだわりを見せた。記者からの質問には穏やかに、しかしながら強い芯の通った言葉を伝え、ピッチでは別人のように声を張り上げる。それはまさに、植田を彷彿とさせる佇まいだった。

　東福岡が2回戦に勝利し、3回戦での対戦が決まった。「東福岡にはJ内定選手が3人もいて、全員レベルが高い。物怖じするつもりはなく、ここで満足もしない。いい意味で欲を出す」と語る生駒は、勝利のイメージを膨らませる。

　守り抜く規律を重んじ、球際で徹底的に戦う。それが全国の舞台で2試合連続の無失点につながる最大の強みとなっている。前大会王者との対戦にも「楽しみです」と口にしたその表情は柔和だが、しかしその目には揺るがぬ闘志が宿っていた。

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城福達也●文　text by Tatsuya Jofuku