「5cmのスポンジだけ入れている人もいたと」 レガースの縮小化傾向に日本代表OBが持論「一歩間違えれば…」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】怪我を回避するために現役時代は大きめのサイズを使用
イングランド1部ブライトンの18歳MFジャック・ヒンシェルウッドは、現地時間12月17日に行われたプレミアリーグ第17節アーセナル戦(0-2)で、着用していた“小さすぎるすね当て”が注目を集めた。近年はレガースの縮小化が進んでいるが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「邪魔になるけど、危ない」と見解を述べている。
ヒンシェルウッドはアーセナル戦、膝を痛めて負傷交代したオランダ代表DFジョエル・フェルトマンに代わって前半27分から途中出場。慣れない右サイドバックでのプレーを託された18歳のMFだが、思わぬ形で注目を集めた。
前半アディショナルタイム、主審がピッチに落ちていたヒンシェルウッドのレガースを選手に手渡すシーンが試合中継のカメラに抜かれたが、驚くべきはそのレガースのサイズ。すねの一部分だけしか覆うことができないほどの小さなもので、英紙「ザ・ザン」によればSNS上では「AirPods(ケース)をシンパッド(すね当て)として使っている」「U-8時代のシンパッド」「フットボール界最小」などと揶揄されたほどだった。
激しい接触が多いサッカーにおいて、選手のすねを守る役割を果たすレガース。着用が義務付けられているなかで、近年はサイズの縮小化が進んでいる。過去にはエバートンのイングランド代表FWドミニク・キャルバート=ルーウィンが非常に小さいレガースを着用したことで注目を集めたが、“弁慶の泣き所”を守るための道具にしてはあまりにも心許ない大きさと言える。
現役18年間でJ1通算316試合に出場していた栗原氏は、「邪魔になるけど、危ないですからね」としっかりしたサイズのレガースをつけることを推奨する。
「現役時代、チームスタッフから大きさに関して何かを言われたことはありませんでした。(元日本代表FW)大黒将志さんが『5センチくらいのスポンジだけ入れている人もいた』と言っていた記憶があります(笑)。でも、僕は結構大きいサイズを使っていました。骨折はないですけど、打撲は毎回。ピンポン玉くらい腫れたこともありました。一歩間違えれば大怪我をしますからね」
日本代表MF中村敬斗がソックスを下げて履くのは、ふくらはぎ上部の圧迫を回避するためだと伝えられた例もあり、背景には当然理由もあるが、怪我をしない状況にはしておきたいところだ。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。