果たしてブラジルへの切符を手にできるのか 中村憲剛の「変わらない」魅力

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際立つ戦術眼と思慮深さ

 

 01で浦和レッズに敗れたJ1リーグ第8節後、キャプテンを務める中村憲剛はチームで最後に姿を現した。相変わらずの戦術眼で試合を振り返り、自分の言葉で記者の質問に応じる思考の深さは、年月を経るごとに磨きがかかっている。    
 33歳。すっかりベテランになった。2003年の入団以来、川崎フロンターレ一筋でチームを牽引し続け、今では稲本潤一に続く上から2番目の年齢だ(ジェシと西部洋平が同じ80年生まれ)。名実ともにクラブを、Jリーグを代表する選手になった。
 
 この日は442のボランチで出場。近年はトップ下や攻撃的MFなど前方でのプレーが増えたが、中村の持ち味が最も生きるのは、やはり中盤の深い位置だろう。全ての味方からボールを引き出してチーム全体をコントロールする。相手の逆を突くトラップや密集から抜け出すフィードなど、浦和のプレッシャーを巧みにいなした。  
 彼の最大の魅力は、攻撃を加速させるプレーだ。「攻め急いでいる感じがあり、相手にボールを渡してしまっていたので、後半はその意識でプレーした」とは言うものの、機を見て攻撃のスイッチを入れる縦パスを何度となく送った。  

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