浦和DF酒井宏樹、手術後1か月で復帰「合わせると決めていた」 世界知る男のシティ必勝法は?「怯えたりする選手は…」【現地発】

浦和の酒井宏樹【写真:徳原隆元】
浦和の酒井宏樹【写真:徳原隆元】

19日に準決勝でマンチェスター・シティと対戦する

 浦和レッズの主将、DF酒井宏樹はサウジアラビア開催のクラブ・ワールドカップ(W杯)準決勝で欧州王者マンチェスター・シティ(イングランド)との一戦に向け「このような素晴らしい相手と戦えることに誇りとか喜びを持てるかどうかがキーになってくる」と、持つべきメンタリティーについて話した。

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 酒井はプレシーズンから不安を抱えた右膝の手術を11月4日のルヴァンカップ決勝戦を終えてから実施。その時点では全治3か月の発表だったが、自身は「やる前から自分でここに合わせることは決めていました」というプランを秘めていたと明かした。そして、国際サッカー連盟(FIFA)から事前発表された登録23人からは外れていた酒井だが、初戦の24時間前まではアクシデントによる選手入れ替えが可能というレギュレーションの中、11月末の試合で頭部に負傷があったFW髙橋利樹との入れ替えで土壇場でのメンバー入りを果たした。

 15日の大会初戦クラブ・レオン(メキシコ)戦の前日に選手ミーティングを呼びかけ、多くの選手がその効果を話すなどキャプテンシーを発揮している。それだけでなく、浦和がFWアレックス・シャルクのゴールにより先制点を挙げた直後、残り約10分でピッチに酒井が送り込まれた。キャプテンマークをMF岩尾憲から受け取ると、右サイドで躍動感のあるプレーを見せ、手術後1か月の選手とは全く思えなかった。

 その状態については「コンディションは上がってきているから、キャンプみたいな感じの段階ですね。キャンプの練習試合1試合目が終わったみたいな感覚の体かなと思います」と話すが、日本代表として昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)でドイツ代表に勝利したピッチに立ち、フランスの強豪マルセイユ所属時にはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でシティと対戦している。このようなビッグマッチを経験している酒井は、重みのある言葉を残した。

「あの素晴らしいスタジアムで、このような素晴らしい相手と戦えることに誇りとか喜びを持てるかどうかがキーになってくると思います。ここで怯えたり、自分のプレーするのを怖がってちょっと隠れてしまう選手は、これ以上伸びることはないですし、必ず後悔するので、のちのち。1試合やるんであれば、自分のベストを出せるように明日、みんな準備してほしいですし、それをピッチで表現してほしいなと思います。必ずそうしたらいい方向に行くと思うので。僕としても後悔してほしくないので。ビッグマッチは僕も経験していますけど、そうそう訪れるものではないので楽しんで欲しいなと思います」

 そのうえで、酒井は前述のドイツ戦のような成功体験もあれば、ブラジルなどの強豪にハッキリとした力の差を見せつけられた試合も経験している。その差を分けるものは何か。酒井は、「リアクション」をポイントにした。

「失点したあとのリアクションですね。そこが全てかなと。やはりポンポンと取られてしまうと、そのまま試合が壊れてしまうので。試合を壊してしまうのか、試合を継続させるのか。明日も厳しい状況だったり、厳しい結果になる可能性はもちろん大きくありますけど、それは自分たち次第で、彼らがいい悪いではなくて、自分たちがそうしてしまうのか、そうさせないのかが大事になってくると思う。チームとして戦えるかどうかは、例えば(カタールW杯の)ドイツ戦はすぐ決められましたし、スペイン戦もそうですよね。そこでチームとしてどうリアクションしたかが結果に反映すると思います。僕らもアル・ヒラルと戦った時もそうだった。僕らはできるのを証明しているので、明日もチーム全員で証明したいと思います」

 日本代表はドイツ戦もスペイン戦も先制されても崩れることなく戦って逆転勝ちし、浦和も今年の春にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝でアル・ヒラル(サウジアラビア)と対戦したアウェーゲームで先制を許しながら追いついて終え、ホームで勝利してアジア王者の座を勝ち取った。逆境に陥った時にどんな力を発揮できるのか、世界を知る酒井の言葉を浦和がこの大舞台で実行することが求められる。

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