森保監督が語る第1次→第2次政権の相違点 ”変革”の理由は「簡潔に言うと、全部が薄くなるから」

日本の森保監督【写真:城福達也】
日本の森保監督【写真:城福達也】

名波コーチと前田コーチの就任 「深く、広く、伝わっていく」

 日本サッカー協会(JFA)は12月18日、2024年の年間スケジュール発表で会見を開き、各カテゴリーの活動概要を発表した。A代表を率いる森保一監督は、カタール・ワールドカップ(W杯)以降の第2次政権において、自身の役割の変化について言及。コーチ陣にこれまでのタスクを分散させることで「チームを機能させるための役割に時間を費やしている」と語っている。

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 A代表は、元日からタイ代表との試合を国立競技場で控えており、来年1月にカタールで開催されるAアジアカップでは14日にグループステージ第1節ベトナム戦、19日に第2節イラク戦、24日に第3節インドネシア戦を予定している。3月は2026年大会のW杯アジア予選で21日と26日に北朝鮮代表と対戦、6月6日にミャンマー戦、11日にシリア戦に臨む。9月2日〜10日、10月7日〜15日、11月11日〜19日にもアジア予選の試合が予定されている。

 昨年に開催したカタールW杯を終え、今年から森保監督の第2次政権が発足したなかで、引き続き斉藤俊秀氏と下田崇氏がコーチを留任したのに加え、名波浩氏と前田遼一氏が新たなコーチとして就任した。第1次政権から第2次政権への移行に伴い、「戦略的には変わらない」と前置きしたうえで、森保監督は自身の役割の変化について言及している。

「練習やミーティングに関しては各コーチがより多く選手の関わって伝えていくという点では変わってきてはいる。コーチが言っていることは監督が言っていることと同じということで、コーチにはチーム戦術、グループ戦術、個人戦術のところを、より責任と役割を持って取り組んでもらっている。これまでと比べ、私自身が関わっている時間と、コーチが関わっている時間という意味では、私が少なくなっていて、コーチが伝える時間は長くなっている」

 カタールW杯まで自身が取り組んでいたタスクを“分散”させることで時間を担保し、「コーチにやってもらっている分、私個人はいろいろな選手やスタッフとコミュニケーションを取りながらマネジメントしていくことで、チームを機能させるための役割に時間を費やしている」と、チーム全体へのマネジメントに比重を置いていると説明。また、そういった方針に舵を切った理由については「簡潔に言うと、私が一人で全部をやると全部が薄くなるから、ということかなと」と明かしている。

「ミーティング、練習、コミュニケーションなど、もちろんできるだけやっていきたいという思いはあったが、チームを勝たせるために、選手とチームを成長させるために、コーチにやってもらうということは、より深く、より広く、伝わっていくという点で、頼れるコーチたちにお願いしている。東京五輪のチーム、またA代表ではロシアW杯で西野さんからバトンタッチしていただいたなかで、スタートの部分でコーチやスタッフにコンセプトの共有を自分がやっていかなければならないということが私の役割だったが、それを少しずつ、各コーチに任せる段階にきて、現在は名波コーチと前田コーチがこれまでのブラッシュアップ、これからの積み上げをやってもらっている」

 2023年は、カタールW杯でも2-1で勝利したドイツ代表との再戦に臨んだ際、敵地で4-1と粉砕した圧勝劇を含め、破竹の8連勝で締め括った。FIFAランキングでは17位にジャンプアップし、チームのレベルを一段上げることのできた年となったが、コーチへのタスク分散、マネジメントへの注力が、日本代表にとってポジティブな結果をもたらしていると言えるのかもしれない。

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