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英国人ファンが選ぶ今季Jリーグ名場面…甲府のACL初参戦は「誇り高い」「特別な勝利を味わえた」【インタビュー】
リーグ戦・天皇杯・ACL…注目チームと名場面を厳選
今シーズンも、さまざまな名勝負や名シーンが生まれたJリーグ。「FOOTBALL ZONE」では「Jリーグ通信簿」の特集を展開し、そんな1年を振り返る。そこで、「J.League Journeys」として日本サッカー界をフォローし続け、その魅力をSNSで発信する英国人ファンのクリスさんを取材。注目チームや印象に残った場面について訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部・山内亮治)
◇ ◇ ◇
■天皇杯決勝のPK戦
(12月9日/川崎フロンターレ×柏レイソル/0-0=PK 8-7)
2つもの素晴らしいセーブを披露しただけに、柏のGK松本健太がとても気の毒だ。柏は勝利に値したと思うよ。とはいえ、川崎のGKチョン・ソンリョンが見せたパフォーマンスはキャリアのハイライトと呼べるもの。自分でPKを沈めたあとにセーブしてチームの天皇杯制覇を決めたのだから。これぞまさにGKが夜な夜な夢見る瞬間なんじゃないかな。
■東京ヴェルディの16年ぶりJ1昇格
(12月2日/J1昇格プレーオフ決勝・清水エスパルス戦/1-1)
後半アディショナルタイム6分に、東京VがPKで同点に追いつき昇格を決めるという信じられない展開の試合だった。決勝戦はJ2最終順位3位の東京Vが4位の清水に対して引き分け以上の結果を残せばJ1昇格が決まるレギュレーションだったから、清水のことを考えると気の毒に思う。とはいえ、J1での“東京ダービー”が楽しみだから東京Vの昇格にはワクワクしている。16年かかっての返り咲きは最年長ブランクの記録だったわけだし、彼らは大きなことを成し遂げたね。
■横浜FCの“ダービー”快勝
(8月26日/J1第25節/横浜F・マリノス戦/4-1)
県内のライバルである横浜FMに1点ビハインドから逆転で4発快勝を収められたのは、横浜FCにとって大きな1勝だったと思う。J1優勝争いを面白くしただけでなく、横浜FCが残留への望みをつなぐことができたからね。実際、横浜FMはこのあとに柏レイソルやヴィッセル神戸との試合を落としている。この敗北によるダメージは大きかったんじゃないかな。横浜FCが降格したのは悲しいけど、サポーターがこの特別な勝利を味わえた事実は嬉しく思うよ。
■ヴァンフォーレ甲府のACLデビュー
個人的に甲府のFWピーター・ウタカが大好きなんだ。39歳であるにもかかわらず、ゴールを決め高いレベルでのプレーを維持できている彼の姿が嬉しいよ。加えて、J2のチームがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で躍進したことも素晴らしいと感じている。多くの人がACLでの戦いは厳しすぎると予想していたと思うけど、グループステージ1試合を残して決勝トーナメントへの進出を決めた。実際に国立競技場で彼らの試合を2試合ほど観戦し、そこで目にした全国のファンが甲府を応援する光景には、信じられないほど幸せな気持ちにさせられたよ。ファンも同時に、甲府のおかげで誇り高くハッピーでいられたはずさ。
■日本人中心の戦力で手に入れた神戸のJ1初優勝
ヴィッセル神戸のJ1初優勝で注目すべきなのは、キープレーヤーがすべて日本人であることなんだ。これは、日本サッカーが進化を続けている証拠だね。中立的な立場から見ても、神戸の優勝は嬉しいものだった。この歓喜が他クラブを刺激し、タイトル争いの競争力をより高めてくれることを願っている。今シーズンは素晴らしい1年だったし、神戸は優勝に値した。おめでとう!
(FOOTBALL ZONE編集部・山内亮治 / Ryoji Yamauchi)