日本代表DF町田浩樹「サラー以上のウインガーはそういない」 世界一流と対峙…欧州で成長実感「やっぱり自信になる」【現地発】
ユニオンSGでプレーするDF町田浩樹、欧州の大会に出場する価値について言及
ヨーロッパには現在3つのコンペティションがある。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)は言わずと知れた世界最高峰の舞台だ。ワールドクラスの選手による華々しい競演にファンは熱狂し、世界中の選手がこの大会で活躍することを夢見ている。
CLに次ぐUEFAヨーロッパリーグ(EL)はここ最近少しずつ盛り上がりを高めている。長谷部誠、鎌田大地を擁して2021-22シーズンに優勝を勝ち取ったドイツ1部フランクフルトの躍進は記憶に新しいし、CLから回ってくる強豪クラブが参戦する決勝トーナメントになると、ワクワクさせられる組み合わせも増えてくる。
ELのグループリーグでリバプールと同組となったベルギー1部ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ユニオンSG)でプレーする日本代表DF町田浩樹は、その経験のありがたさについて語っていた。
「やっぱりこういうヨーロッパのコンペティションで戦えているというのは、自分にとっても自信になります。前回のリバプール戦だとモハメド・サラーとマッチアップしたり。やっぱり彼以上のウインガーはそうそういないと思うんですよ。自分自身の自信というのは、すごい1戦1戦積み重なってきていると思います」
ではUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)はどうなのだろうか。ELに次ぐ大会として21-22シーズンからスタート。参加するクラブの知名度という点では確かに世界最高峰のCL、それに次ぐELには及ばないだろうし、欧州の小国から参戦するクラブも少なくない。世間的に誰もが知る強豪クラブがいないからレベルが低いとも思われがちだ。
ELグループリーグで惜しくも3位で終わったユニオンSGはECLのプレーオフに回ることになる。実際にプレーしている選手はどのように感じているのだろう。
「いい相手とやりたいですね」と笑顔で語った町田は、「(週末に)ベルギーリーグを戦って、週中にカンファレンスリーグでも、ヨーロッパリーグでも、ヨーロッパの戦いをするというのはすごいタフですけど、すごい成長できてるなと思います。たくさん試合できるんで僕は嬉しいですね」
EL3位でユニオンSG、ECLプレーオフへ「結果を残したい」
各国リーグ戦ごとに特徴もプレースタイルも違う。独特な戦い方をするクラブもある。これまで対峙したことのないような選手と同じピッチでプレーすることで得られる経験は間違いなくかけがえのないものだろう。
そして、大会が増えたということはチャレンジできるタイトルが増えたということでもある。
「サンジロワーズは2部から上がってから1部でも優勝争いして、でも毎回タイトルが獲れず、苦しい思いをしています。去年もヨーロッパリーグでいいところまで行ったんですけど、勝ち切れなかった。カンファレンスリーグで去年以上の結果を残したいですね」
ユニオンSGは昨季EL準々決勝まで進出したが、レバークーゼン(ドイツ)に屈している。2月に行われる今季ECLプレーオフでは前述のフランクフルトのほか、ディナモ・ザグレブ(クロアチア)、レギア・ワルシャワ(ポーランド)、フェレンツヴァーロシュ(ハンガリー)ら難敵との試合を勝ち残らなければならない。2戦合計で負けたら終わりのKO対決。昨季の経験を生かして、1つでも上の舞台へと駆け上りたい。
(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)
中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。