中国1部王者が元横浜FMマスカット監督を招聘 前任者とのスタイルの違いに現地注目

上海海港の新監督に就任するケヴィン・マスカット氏【写真:徳原隆元】
上海海港の新監督に就任するケヴィン・マスカット氏【写真:徳原隆元】

上海海港の新監督に就任

 中国1部王者の上海海港は12月17日、J1横浜F・マリノス監督を退任したばかりのケヴィン・マスカット氏の新指揮官就任を発表した。

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 現役時代にオーストラリア代表として活躍したマスカット氏は、指導者へ転向後にオーストラリアのメルボルン・ビクトリー、ベルギー1部シント=トロイデンの監督を経て、21年に横浜FMの監督に就任。22年はJ1リーグ優勝、23年にはスーパーカップ制覇と着実に結果を残したが、23年限りでの契約満了が発表されていた。

 上海のスポーツ誌「東方体育日報」は、「海港は優勝経験を重視していた。マスカットがオーストラリアと日本でリーグ、カップ戦の優勝経験があり、またチームの管理も悪くない。また最近2年間、彼が指揮したマリノスはJ1リーグで最多得点数を記録、攻撃的で技術戦術が成熟しており、これは海港が求めるものだ」と分析した。

 中国版X(旧ツイッター)の「微博(Weibo)」でフォロワー30万人を超える、「丸子丸子的丸子」は、上海海港の前監督であるスペイン人のハビエル・ペレイラ氏が23年にリーグ優勝したにもかかわらず解任された点と絡めて、「ハビエルは選手を固定しすぎた。一方でマスカットはローテーションする監督。この点で海港の控え選手たちはチャンスがあるだろう」と言及。また、「ハビエルは元ブラジル代表MFオスカル以外の外国籍選手を使いこなせなかったが、マスカットは外国籍選手を重視するスタイルだ。中国をよく知らないのは不安要素だが…」と続けた。

 ネットメディアなどでJリーグを頻繁に解説する呉凌軒(ウ・リンシュアン)氏も、「Jリーグでマリノス戦を解説した時に、冗談で海港はこのマスカットを招聘すべきと言った。Jリーグのチームでは珍しく外国籍選手をフル起用する、ハビエルと逆だった。まさか本当に実現するとは」と驚いていた。

 これらの反応見ても、マスカット氏の実績だけでなく、指揮スタイルも鑑みて上海海港は前監督にない部分を持つ監督として招聘したと見られる。昨年に中国リーグ王者に輝いた上海海港は、24年のAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)に参戦予定。マスカット氏がJリーグ勢の前に立ちはだかる可能性は高い。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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