浦和DF酒井宏樹「痛みもなく腫れもなく順調」 手術から約1か月…スピード復帰のワケ「たまたま…」【現地発】

酒井宏樹が後半途中から出場【写真:Getty Images】
酒井宏樹が後半途中から出場【写真:Getty Images】

前日練習では選手ミーティングも提案

 浦和レッズの主将DF酒井宏樹は、11月上旬に右膝の手術を行って全治3か月と発表されてから1か月強で迎えた12月15日のクラブ・ワールドカップ(W杯)初戦の北中米カリブ海代表クラブ・レオン(メキシコ)戦に途中出場。ただし、自身は「ほぼ1年ぶりに痛みなくやれた」として、「痛みもなく腫れもなく順調」な経過を踏まえての復帰だったと話した。

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 酒井はプレシーズンから不安を抱えた右膝の手術を11月4日のルヴァンカップ決勝戦を終えてから実施。その時点では全治3か月の発表だったが、自身は「やる前から自分でここに合わせることは決めていました」というプランを秘めていたと明かした。そして、国際サッカー連盟(FIFA)から事前発表された登録23人からは外れていた酒井だが、初戦の24時間前まではアクシデントによる選手入れ替えが可能というレギュレーションのなか、11月末の試合で頭部に負傷があったFW髙橋利樹との入れ替えで土壇場でのメンバー入りを果たした。

 前日練習では選手ミーティングも提案して「あんまり形式ばったミーティングはしたくなかったんですけど、やっぱりね、やらないでさっと負けて日本に帰るよりは、もうだるいな、めんどくさいなと言われるくらいのがいいのかなと思ってやらせてもらいました」と、チームの意思統一を図った。そして、浦和がFWアレックス・シャルクのゴールにより先制点を挙げた直後、残り約10分でピッチに酒井が送り込まれた。キャプテンマークをMF岩尾憲から受け取ると、右サイドで躍動感のあるプレーを見せ、手術後1か月の選手とは全く思えなかった。

 試合後に酒井は「自分の身体を信じたプラス、浦和のドクターに執刀してもらいましたし、浦和のPT(理学療法士)がずっと付き添ってやってくれていたので、1日も無駄にすることなく、要は、2か月、3か月って多分人によって違うと思いますけど、人が1日生活する分をもっと、自分が治療に割ければもっと短くなる信じていたので、こういう結果になった」として、「今回は決して無理をしているわけではないので。痛みもなく腫れもなく順調に、本当術後の経過が進んだので、できたかなと。無謀なことはしていないですし、チームに迷惑をかけるだけだと思っていたので。たまたまそれが間に合っているだけなので運が良かったなと思います」と話した。

 経験豊富な酒井は「モチベーションを上げるとかではなく、チームとして戦うことが、こういう短い大会では本当に大きい。それができるかどうかが本当に大事」と話す。日本代表の一員として2022年にカタールW杯に出場して初戦にドイツ代表に勝利してチームが勢いに乗った経験を持つだけに「W杯みたいに僕らはチャレンジャーですし、勝てばこうやってね、乗るのは分かっていたので。チームにそこは話しかけていましたし、実際こうやって乗ることができて、次が(マンチェスター・)シティという本当に大きな相手ですけど、この大会を楽しめるような状況にはなってきているのかなと思います」と話した。

 90分間をプレーする運動量やスタミナという点では未知数な部分もあるが、まさに「鉄人」とでも呼ぶべき復帰劇。「こんなにも痛みなくプレーすることが幸せなんだなというのを実感しています。1年ぶりに、ほぼ1年ぶりに痛みなくやれて、自分の動きってこうだよなと思いながらプレーしていました」と話す“世界の酒井”が、浦和の右サイドに戻ってきた。

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