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浦和シャルクの決勝弾「彼の人間性が出た」 主将・酒井宏樹が感銘「契約を満了された選手がふてらず…」【現地発】
クラブW杯初戦でレオンを1-0で撃破
浦和レッズは12月15日にサウジアラビア開催のクラブ・ワールドカップ(W杯)の大会初戦で北中米カリブ海代表クラブ・レオン(メキシコ)と対戦。途中出場のFWアレックス・シャルクの決勝ゴールで1-0の勝利を収め、殊勲のアタッカーは「本当に言葉が出ません。本当に夢のよう」と喜んだ。
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試合が0-0で推移していた後半27分、シャルクはMF中島翔哉とともにピッチへ送り込まれた。マチェイ・スコルジャ監督からの要望は「フレッシュなエネルギーをピッチで表現するように」というもの。そして後半33分、DFアレクサンダー・ショルツからのボールをシャルクが競り、こぼれ球をFWホセ・カンテが前線で収めると再びシャルクへ。右サイド側からペナルティーエリア内に飛び込んだシャルクは、相手GKとの1対1でシュートをねじ込んで待望の先制点を奪った。
喜びを爆発させ、サウジアラビアへ駆けつけた約400人の浦和サポーターへ駆け寄ったシャルクは「カンテが僕にパスを出してくれて、シンプルなコントロールシュート。もちろんそれは毎日練習している部分なので、そのような局面で冷静にゴールのギャップを見つけて枠を捉えることができたのが素晴らしかった」と喜んだ。
予感めいたものもあったという。シャルクは「今日は僕の試合になるかなという感覚がありました。感じていたようなものがあって」として、「攻撃的選手として、時々そういう感覚はありますね。FWブライアン・リンセンにも、ベンチにいる時に『これは俺らの試合だ』という話をしていました。『エネルギーとインパクトを僕らで表現してラスト20分、ゲームをひっくり返すことができる』と話していました。残念ながらブライアンは出場機会がなかったんですけど、今日の自分がゲームに違いを加え、エネルギーを加えられたことには満足しています」と話す。
浦和に加入しての2シーズン、小さな負傷が多く稼働できない時期が長かった。今季限りでの契約満了が発表されているが、主将のDF酒井宏樹は「何よりね、決めたのがアレックス。ああやって契約を満了された選手がふてらず、チームの一員としてまだプレーしていて、彼が結果を出すというのは彼の人間性が出たシーン、出た日だったのかなと思います」と話す。MF岩尾憲もまた、「チャンスがないなかでも、彼の日ごろの姿勢、みなさんに見えないところでのサッカーに対する姿勢は本物のプロフェッショナルだと思いますし、そういう人がこういうことを起こすんだと感じ取ることができました」と、日常の姿勢について言及していた。
その運命的な決勝ゴールを奪った試合を終え、シャルクは「素晴らしいですね。本当に言葉が出ません。本当に夢のよう。試合前から話していました。人生で1度か2度起こるようなクラブW杯。その試合で決定的な仕事をできたのは、全選手にとって夢のようなものです」と、感無量の様子だった。
次の対戦相手は欧州王者マンチェスター・シティ(イングランド)となる。誰もが知る強豪中の強豪との対戦に「次は世界で一番大きいチームとの対戦ですね。浦和のようなクラブでは、このような相手と対戦するのがベストなシチュエーションです。そして、僕らが素晴らしい日、相手が最悪になるような日じゃないとなかなか良いゲームにならないかもしれないですけど、僕らは全てを燃やして、もちろん1試合なので何が起こるか分かりません。そして日本の全国民、全選手たちが注目すると思います。僕らがそれを代表するのは、本当に光栄なことだと思います」と情熱的に話した。
出場機会から遠ざかっている時期でも、誰よりも大声でチームを盛り立てるような姿もトレーニングで見せていた。関わる誰もが「ナイスガイ」と感じるようなシャルクの一撃が、サウジアラビアの地で浦和に歓喜を呼び込んだ。