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「大谷選手ではないですけど…」 浦和MF、現地へ駆け付けたサポーター約400人へ呼応…クラブW杯タイトルへ懸ける思い【現地発】
サウジアラビア開催のクラブW杯現地へ約400人の浦和サポーターの姿
浦和レッズは12月15日にサウジアラビア開催のクラブ・ワールドカップ(W杯)の大会初戦で北中米カリブ海代表クラブ・レオン(メキシコ)と対戦。途中出場のFWアレックス・シャルクの決勝ゴールで1-0の勝利を収め、準決勝では欧州王者マンチェスター・シティ(イングランド)との対戦が決まった。この試合に訪れた浦和サポーターは約400人とされたが、今季2回目のサウジアラビア遠征を敢行して力強くスタンドからチームをサポートし、その心意気は選手たちにも伝わっていた。
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浦和は今年の春に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022の決勝戦で、アル・ヒラル(サウジアラビア)と対戦。ホーム&アウェー方式での初戦がアウェーだったが、浦和サポーターはリヤドまで約700人が遠征。日本時間の深夜に埼玉スタジアムで行われたパブリックビューイングには約7000人が駆けつけた。その決戦を2試合合計で制し、3回目のクラブW杯出場の権利をもぎ取った。
そして、12月10日に浦和がサウジアラビアへ出発する前にはクラブのトレーニング場である大原サッカー場に集結し、大声援で送り出した。そしてクラブ・レオン戦では浦和スタッフによると約400人のサポーターが来場。いつもと変わらぬ力強い声援を送り、膝の手術から約1か月のスピード回復により途中出場した主将のDF酒井宏樹は「あの人数の少なさであの声なので。相変わらずテレビで見ている方はびっくりしたと思いますけど、僕らはこれが日常だったり当然だと思うことは絶対にしてはいけないと思います。常に彼らと戦っている。彼らに誇りに思ってもらうようなプレーをしないといけない。改めて多くの力をもらいました」と話した。
後半途中には、クラブ・レオンのサポーターが地元客を呼び寄せるかのように集結し、急に応援のボルテージが上がった。しかし、後半33分にシャルクが先制点を決めると、その即席サポーター集団は完全に沈黙。浦和を鼓舞する声だけがスタジアムに響く中で勝利を収めた。
これで、準決勝では欧州王者マンチェスター・シティ(イングランド)との対戦が決まった。しかし選手たちはそのゲームの捉え方という点で、出発前の盛大な見送りの際にサポーターたちから掛けられた言葉は心に響いているという。
MF岩尾憲は、今年3月に野球のワールドベースボールクラシック(WBC)でアメリカとの決勝戦を前に大谷翔平選手が「憧れるのを止めましょう」と選手たちの前で話した言葉を例に挙げ、「WBCの大谷選手ではないですけど、越えに来ているので。そこは、はき違えないように、思い出づくりではないですし、サポーターが自分たちが出発する前から作り出してくれた空気が、遊びじゃない、本気で世界を取るんだというところ。彼らもすごく気概を持って大会に臨んでいますし、我々もそれに応えないといけない」と話す。
また、浦和のなかでも人一番シティのサッカーに思い入れのあるMF小泉佳穂も「嬉しい気持ちはあるんですけど、すごくサポーターにケツを叩かれているというか。戦えて、記念で終わりじゃないんだぞっていうメッセージをすごく大原で受け取ってきたので、本当にチームがまた一丸となって、勝ちにいきたい」という言葉を残した。
そして、決勝ゴールの直後にサポーターへ向かって駆け出して行ったシャルクは「何万キロもここまで我々をサポートするために来てくれて、あそこまでサポートしてくれるのは信じられないほど素晴らしい。彼らに何かを与えられたこと、お返しできたことは嬉しいです。彼らも勝利に値すると思いますし、シティと対戦すべきファン・サポーターだと思います」と話していた。
前日練習後にマチェイ・スコルジャ監督は「我々が孤独を感じながらプレーすることはないだろう。サポーターは常に駆けつけてくれる」と話していた。過去には米「FOXスポーツ」による「世界の筋金入りのサポータートップ5」にも名を連ねた浦和サポーターだが、世界が注目するシティ戦でもチームを力強くバックアップするだろう。