市船CBコンビが語った京都橘のエース岩崎 「奪えそうで奪えない」世代最強FWの凄みとは

「グループで奪いに行く」ことを徹底

「やっぱり化け物だった。味方の時はものすごく頼りになって助かりますけど、相手になると今までにないくらい嫌な選手だなと思いました」

 10月のU-19 AFC選手権で日本代表としてチームメートだった原は、岩崎の特徴について次のように詳細に語る。

「(シュートの)振り幅がすごく小さい分、寄せきれないというのがあるし、身体能力があってボディーバランスもいいんで、変に近づきすぎると体勢を入れ替えられてしまうこともある。対応に手こずりました」

 身体能力とシュート技術。岩崎の強みにやられかけた市船だったが、そこで崩れないのもまた強みと言えよう。杉岡は「前半(岩崎に)ボールを持たれてしまってピンチになったので、みんなで意識してアプローチに行こうとは話していました」と意思統一。「個人で止められるのがベストですけど、無理な状況もある。その場合はグループで奪いに行く」(原)ことを再徹底し、流れを呼び戻した。

 2回戦の対戦相手は前橋育英と、市船にとっては厳しい対戦が続く。それでも「何があっても崩れないようにする、というのは自分たちの強みだと思っている」と原が語る通り、試合全体を通じたゲームマネジメントの上手さが市船の強みでもある。岩崎という強烈な個を味わいながらも初戦に勝利したことは、夏の王者に再び自信を与えたに違いない。

【了】

茂野聡士●文 text by Satoshi Shigeno

 

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