「大久保や平山に学べ」 高校サッカー史に輝く“名将”小嶺監督、強豪校撃破に見えた真骨頂

「大久保、平山のような選手は…」

 それでも”小嶺イズム”の根本は変わらない。この日先制点を決めたFW右田翔は「走ってます。長距離の他には50メートル走を30本、100メートル走を2、30本。それと5キロのボールを持って走ります」と、過酷な練習内容を涼しい顔で口にした。それは結果として表れており、試合終了間際でも「疲れることはほとんどない」と自信を示した。

「小嶺監督は朝5時台の練習にも顔を出す。ミーティングでは『大久保、平山のような選手は、試合から帰ってきたその日でもボールを蹴っていた』とか、『ルールは決して破らない』だったり、そういう話を選手にしてくれる」

 右田は小嶺監督が現場に来ることを知った時、「本気で頂点を狙うんだ」と感じたという。そう選手に思わせることができることこそ、名将たる所以なのかもしれない。

 高校サッカー界で輝かしい歴史を築いてきた71歳の指揮官は、長崎総科大附で新たな歴史を書き加えるべく、今まさに筆を握りしめたところだ。

【了】

城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku

 

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