決定機2度逃し「FWとして責任を負わないと」 柏の細谷真大が悔やんだ天皇杯の敗戦「勝てるチャンスはあった」

柏の細谷真大【写真:徳原隆元】
柏の細谷真大【写真:徳原隆元】

柏はPK戦で川崎に7-8で敗れた

 2019年にJ2優勝をしている柏レイソルだが、国内主要タイトルは12年の天皇杯優勝が最後となっている。2023年12月9日の第103回天皇杯全日本サッカー選手権大会では、その時以来となるタイトルに大きく近づいたが、川崎フロンターレとの120分間の死闘を0-0で終えると、10人目までもつれたPK戦に7-8で敗れ、タイトルには届かなかった。

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 今シーズンのJリーグでは最終節までJ1残留が決まらなかった柏だったが、この日の試合内容では、川崎以上に自分たちの狙いとするプレーができていた。しかし、ゴールが遠かった。チャンスがなかったわけではない。チームの絶対的エースであり、パリ五輪世代で期待を集めるFW細谷真大には、2度の決定機があった。

 1度目は後半24分、MFマテウス・サヴィオのロングボールから最終ラインを抜け出した細谷は、背後からのDF大南拓磨にファウル覚悟のチャージを受けるものの倒れずにゴールへ突き進んだ。しかし、シュート直前のタッチが大きくなってしまい、GKチョン・ソンリョンにボールを収められてしまう。

 似たような場面が、延長前半10分にも訪れる。この時はシュートを打てた細谷だが、ボールはGKチョン・ソンリョンに防がれてしまい、こぼれ球を回収してゴール前に入れようとしたところも、韓国人GKに阻まれた。

 この試合を視察していた森保一監督は、この日の細谷について「抜け出せるスピードや推進力は良さが生きていた。最後に決めるところ、国際舞台でも決定力は問われると思います。決めきるために、自分が納得できる仕事をしてもらえたら」と、持ち味を出せた点を評価しつつ、決定力を高めることを求めた。

 細谷自身もエースとして、決められなかった責任を強く感じており、試合後のミックスゾーンでは「勝てるチャンスは全然あったと思う。(自分が)決めていれば、本当に勝てた試合かなと思います」と悔しがった。

 決めきれなかった2つのシーンについて、細谷は「後半のやつは最後のところで(ボールタッチが)大きくなってしまった。自分の技術ミスでああいうことが起きてしまったので、もっと取り組まないといけないことが多いかなと思います。延長のやつも、上手く流し込めたはずなので、もっと冷静になるべきかなと思いました」と振り返った。

 大南に引っ張られながらも、倒れずに前進を続けた場面については、さらに「倒れたらDOGSO(ドグソ/“Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity”の略。決定的な得点機会の阻止)だったと思いますけど、ずっとこらえたら1対1になれるという状態だったので、自分自身は倒れる気はサラサラなかったので悔いはないです。決められると思って耐えました」と、倒れなかったことに悔いはないと語った。

 この日の国立競技場はピッチ状態が悪く、試合後からは両チームの選手から「砂場のようだった」「砂が多かった」という声が挙がった。その影響がボールタッチにも出たかと問われた細谷は、「もちろん下も悪かったですけど」とグラウンドコンディションが難しかったことは認めつつも、「前半もしっかり45分やっていたので、そこの対応はすぐにしていかないとダメかなと思います」と、順応できなかった自身の責任とした。

 柏の最前線でポストプレーなどでも相手の脅威になった細谷だが、「起点になろうと思ってやっていましたし、数多くチャンスはありましたけど、やっぱり点が入らないと何も意味がない。やっぱりフォワードとしての責任を今日は負わないといけないと思います」と、ノーゴールに終わり、準優勝に終わった責任を受け止めた。

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