川崎×柏、GK対決を制したチョン・ソンリョン「少し誘って…」 勝利を手繰り寄せたPK戦の“駆け引き”
試合中にもビッグセーブを連発
川崎フロンターレのGKチョン・ソンリョンは、12月9日の天皇杯決勝で柏レイソルを相手にしたPK戦の末の優勝にMVP級の活躍。「選手、スタッフ、サポーター、みんな1つになった」と喜んだ。
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まずは延長戦までの120分間で、チョン・ソンリョンは2回の1対1を防いでチームを救った。後半24分は柏が自陣からFWマテウス・サヴィオが長いスルーパスをFW細谷真大に通すと、ファウル覚悟で止めに行ったDF大南拓磨を細谷が突破した。決定機になったが、チョン・ソンリョンは細谷のボールタッチが長くなったところを見逃さずに距離を詰めてセーブした。さらに延長前半9分、再び細谷との1対1になったが身体に当てるファインセーブ。このどちらかがゴールになっていれば、PK戦まで進む間もなく敗れていたかもしれない。
自身はこのようなプレーについて「細谷選手、サヴィオ選手と速い選手がいてカウンターが鋭いので、そういう状況は起こり得ると想定していた。1対1は自分のストロングポイント。先に転ばずに、少しでも威圧感を与えられるようにした。運も良かったですけど」と振り返った。
そしてPK戦に入り、互いに2人ずつ外して10人目を迎えた。柏はPK戦に向けDF古賀太陽が負傷によりキッカーを務められないため、川崎はDFジェジエウを外して10人同士での戦いになっていたため、ここが両チームの最終キッカーというタイミングで、まずは先攻の川崎はチョン・ソンリョンがキッカーとしてインサイドで丁寧に蹴ったボールはゴール右上に決まった。そして後攻の柏はGK松本健太がキッカーに立ち、チョン・ソンリョンは「自分がインサイドで蹴ったので、相手はそうしないと思った。少しこちら(自分の左)に誘って、こちらに」と、駆け引き勝ちでのストップ。これで優勝が決まった。
チョン・ソンリョンは「落ち着いていたし、止めた瞬間は優勝だという嬉しい気持ちでいっぱいだった」と話し、すぐに駆け寄ってきたGK上福元直人と抱き合い、優勝の喜びを分かち合うなかで「家長選手(MF家長昭博)に、止めたのもすごいけど、キックもすごいと褒められた」と笑顔だった。
しびれるような場面だったが、「絶対に優勝するという気持ちだった。優勝は初めてではないから、自信を持ってやれた」と話したように、経験が生きたか。守護神は「選手、スタッフ、サポーター、みんな1つになった」と、喜びの言葉を残していた。